“おかんのカレー”の仲間になりたいsumika、ドア全開でファン見送ったZepp DC公演

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sumikaが2月25日に全国ツアー「sumika『SALLY e.p』Release Tour」の東京・Zepp DiverCity TOKYO公演を開催した。

sumika「sumika『SALLY e.p』Release Tour」東京・Zepp DiverCity TOKYO公演の様子。(撮影:後藤壮太郎)

sumika「sumika『SALLY e.p』Release Tour」東京・Zepp DiverCity TOKYO公演の様子。(撮影:後藤壮太郎)

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これはsumikaが昨年12月にリリースした新作CD「SALLY e.p」を携えて、宮城、福岡、大阪、愛知、東京の5カ所で行ったツアー。最終公演となったZepp DiverCity TOKYOのステージには、大きなビジョンを組み込んだログハウス風のセットが設置された。

sumika「sumika『SALLY e.p』Release Tour」東京・Zepp DiverCity TOKYO公演の様子。(撮影:後藤壮太郎)

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超満員の観客の前に登場したsumikaはポップチューン「Lovers」でライブをスタートさせた。曲中には「ピアノ、小川貴之!」と声を上げた片岡健太(Vo, G)が黒田隼之介(G, Cho)、ゲストメンバーの井嶋啓介(B)を率いて小川貴之(Key, Cho)を囲み、至近距離まで詰め寄るシーンも。1曲目からオーディエンスの手拍子が響き、会場に一体感が広がった。「すでに100パーセント楽しいんですけど、100パーセントじゃなくて280パーセントぐらいいきたい!」という片岡の言葉から、バンドは「ソーダ」「カルチャーショッカー」と躍動感のある演奏でフロアを揺らしていく。

sumika「sumika『SALLY e.p』Release Tour」東京・Zepp DiverCity TOKYO公演の様子。(撮影:後藤壮太郎)

sumika「sumika『SALLY e.p』Release Tour」東京・Zepp DiverCity TOKYO公演の様子。(撮影:後藤壮太郎)[拡大]

「『SALLY e.p』聴いた人ー?」という自身の質問に、オーディエンスの大半が手を挙げる光景を目にした片岡は「全員をゼリー状にして食べたい」と大喜び。「MAGIC」「1.2.3..4.5.6」とアップテンポのナンバーで観客を盛り上げたあと、バンドは「坂道、白を告げて」「sara」「まいった」をじっくりと奏でていった。「sumikaというバンドは全員末っ子で構成されています。基本的に気質は甘えん坊なので、誰かに甘えないとバンドもままならないんです」とユーモアを交えて説明した片岡は、井嶋と泉本弘美(Cho)というおなじみの2人と、レコーディングの際に録音したストリングスやホーンの音をライブ会場で鳴らすべく、今回のツアーから参加しているマニピュレーターのGeorge(MOP of HEAD)らゲストメンバーを紹介した。

左から黒田隼之介(G, Cho)、片岡健太(Vo, G)。(撮影:後藤壮太郎)

左から黒田隼之介(G, Cho)、片岡健太(Vo, G)。(撮影:後藤壮太郎)[拡大]

また荒井智之(Dr)とライブハウスのフロアで出会ったという片岡が「前後左右、知らない顔かもしれないけど、俺たちを話題にして“知らない誰か”が“知らない誰か”じゃなくなるような瞬間、そういう人たちが最強の仲間になってくれるような瞬間を作りたい」と語ると、未発表曲「知らない誰か」がフォーキーなバンドサウンドで届けられる。さらにジャジーなライブアレンジが加えられた「リグレット」、片岡が「家族の歌」と説明した「リフレイン」が温かなアンサンブルで披露されたあと、バンドは電車の発車音が流れる中「グライダースライダー」を演奏。ムービングライトに照らされた黒田は、エモーショナルなギターソロを繰り広げた。

左から片岡健太(Vo, G)、小川貴之(Key, Cho)。(撮影:後藤壮太郎)

左から片岡健太(Vo, G)、小川貴之(Key, Cho)。(撮影:後藤壮太郎)[拡大]

「チェスターコパーポット」の演奏前には、裏打ちのサウンドに乗せて片岡が怪しげな表情で順に小川、黒田、荒井に近付き、3人が怖がる表情を見せる中、それぞれの楽器を鳴らすという一幕も。続いて片岡が大きなアクションで黒田と小川を順に指名すると、次第に黒田はギターで、小川はキーボードで、同じフレーズを交互に奏でるソロ対決へと発展していく。両者がヒートアップしていくと、井嶋と荒井智之(Dr)もソロ演奏に参加。荒井のドラミングが激しさを増したところで、メンバーは一斉に演奏を開始し、片岡も「俺たちだって意外と演奏できるんだぜー!」と、ステージ前方で熱いギタープレイを見せて観客を魅了した。

荒井智之(Dr)(撮影:後藤壮太郎)

荒井智之(Dr)(撮影:後藤壮太郎)[拡大]

ライブ終盤では、曲中にオーディエンスがカラフルなタオルを回したサマーチューン「マイリッチサマーブルース」、ライブアンセム「ふっかつのじゅもん」がフロアの熱気をピークへと導く。ラストナンバーを前に片岡は、これまでのバンド人生を振り返り、「今この瞬間の光景が、僕をより高く飛ばせようと、鼓舞してくれます」とコメント。さらに「『大好きな家族、兄弟、友達、恋人がその先で待っていてくれるから、今この瞬間がんばろうかな』って思うことがあると思う。例えばおかんのカレーとか、恋人のハグとか。sumikaは皆さんにとって、そういう存在の仲間になりたいと思ったツアーでした」と語ると、温かなアンサンブルでラストナンバー「オレンジ」が演奏された。

片岡健太(Vo, G)(撮影:後藤壮太郎)

片岡健太(Vo, G)(撮影:後藤壮太郎)[拡大]

アンコールにて“皆さんの背中を押しきる曲”として「雨天決行」が力強いサウンドで披露されたのち、片岡は自身のバンド人生の始まりが、高校生の頃にスリーピースバンドでギターを担当したことだと語る。さらに周りからボーカルとして活動することを反対されるも、1人の女性の「私は嫌いじゃないけどね」という言葉や、時が経って出会った現メンバーの「(片岡の)ボーカルが好き」という言葉を受け、“壮大にこじらせた結果”が今であると述べた。「きっかけなんて、些細なことでいいんじゃないかと思うんですよ。だけどまだ、そういうきっかけが見つかってないんだったら、次の1曲で、ここにいる2500人の1人でも、2人でも、悩んでる人に『このドアを開けたら変わるんだ』っていうきっかけを作りたい。でも俺たちだけじゃ足りないので、力を貸してもらっていいですか!」と声を上げる。そして披露された「『伝言歌』」では、会場にオーディエンスの大きな合唱が響いた。片岡は「今、この瞬間のためにバンドを続けてきたんだと思いました。またしんどいこと、誇れないことがあったときには、戻って来れるように。家のドアは全開にしておきます。行ってらっしゃい!」とファンに呼びかけた。

sumika「sumika『SALLY e.p』Release Tour」東京・Zepp DiverCity TOKYO公演の様子。(撮影:後藤壮太郎)

sumika「sumika『SALLY e.p』Release Tour」東京・Zepp DiverCity TOKYO公演の様子。(撮影:後藤壮太郎)[拡大]

なおsumikaはこの日のライブ中に、7月に大阪・Zepp Osaka Baysideと東京・Zepp Tokyoの2カ所でワンマンライブ「Little crown #4」を開催することを発表。バンドのオフィシャルサイトでは、3月5日までチケットの先行抽選予約が受け付けられている。

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sumika「sumika『SALLY e.p』Release Tour」2017年2月25日 Zepp DiverCity TOKYO

01. Lovers
02. ソーダ
03. カルチャーショッカー
04. MAGIC
05. 1.2.3..4.5.6
06. 坂道、白を告げて
07. sara
08. まいった
09. 知らない誰か
10. リグレット
11. リフレイン
12. グライダースライダー
13. チェスターコパーポット
14. マイリッチサマーブルース
15. ふっかつのじゅもん
16. オレンジ
<アンコール>
17. 雨天決行
18. 「伝言歌」

sumika ONEMAN LIVE「Little crown #4」

2017年7月15日(土)大阪府 Zepp Osaka Bayside
2017年7月26日(水)東京都 Zepp Tokyo

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オリーヴ🫒 @0118olive

残念なのは
METROCK、sumikaは東京のみ。😢
https://t.co/NsY8SffK9O

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