来年こそは日本一！カープ優勝ライブ2日目は民生、堂珍、ポルノが競演

プロ野球セ・リーグの広島東洋カープの25年ぶりリーグ優勝を祝うライブイベント「VIVA！真赤激！」が、11月16日と17日に広島・広島文化学園HBGホールにて開催された。この記事では17日の公演の模様をレポートする。

ポルノグラフィティとサンフジンズが出演した初日に続き、この日は“応援団長”の奥田民生と“応援団”の堂珍嘉邦、ポルノグラフィティが出演。さらにサプライズゲストも続々登場し、カープの優勝を共に祝福した。

前日に引き続いて行われたライブ前の「オープニングセレモニー」では、今シーズンで16年にわたるカープ一筋の現役生活を退く廣瀬純選手が登場し、観客を驚かせる。出演者4人もステージに現れ、代表して奥田が「こう言ってはなんですが、弱かった時代を支えていただいて（笑）。応援しがいがありました」と挨拶。彼らから記念品や花束を受け取った廣瀬選手は「弱い時期をなんとか支えられたことを誇りに思いますし、25年前からの先輩方の頑張りがあって優勝を迎えられました。これからもカープをよろしくお願いします」と語り、ファンから大きな拍手を浴びた。

この日のトップバッターを務めたのはポルノグラフィティ。彼らは広島カープ“非公式応援歌”として制作された「みんなのカープ」を最初に披露する。カープファンの胸に染みるナンバーで観客の心をつかむと、「Mugen」の華やかなサウンドで場内のテンションを高めた。さらに最新シングル「LiAR」もパフォーマンス。岡野昭仁（Vo）は「こんなイベントに出してもらうのは、本当に幸せです！」と、カープ優勝をライブという形で祝えることに感謝を述べた。

オーディエンスが一体となったハンドクラップと、新藤晴一（G）のギターストロークが心地よく響いた「オー！リバル」のあと、恒例のコール＆レスポンスでは岡野が「ダサいかもしれんけど！（笑）」と言いながら「カープ！ 最高！」と叫ぶように指導。観客の大きな声に、岡野は「いいよ！ さすがカープファン！」と笑顔を見せた。ラストナンバーの「ハネウマライダー」では、岡野の「ここにいるカープファンと、来年の日本一を願おうじゃありませんか！」という言葉に応え、オーディエンスが赤いタオルを一斉に振り回した。

続く堂珍嘉邦のライブの前には、ウグイス嬢が「本日38回目の誕生日、堂珍嘉邦。背番号4492」と紹介し、会場からは大きな祝福の拍手が沸き起こった。そんな彼が1曲目に披露したのは「Time to fly」。鮮烈なシンセサイザーのフレーズから始まり、堂珍は伸びやかな声を響かせる。太いベースラインがアンサンブルを牽引する「Halo」では、オーディエンスが固唾を呑んでバンドの奏でる音に聴き入った。

堂珍はカープの優勝を祝うライブと自身の誕生日が重なった奇跡を「こんなうれしい1日は二度とない、と思うくらい最高の1日だと思います」と語り、自身と故郷・広島、広島カープを巡るさまざまなエピソードを明かす。今年は地元の安芸高田市でのライブが実現したことも話し、「ずっと地元でライブをやりたいと言いよったんじゃけど……」と、広島弁全開で語る彼の言葉に、オーディエンスは笑顔で耳を傾けた。

ファンタジックな「Euphoria」のあと、堂珍は「故郷のことも思いながら、もう1曲聴いてください」と紹介し、「Reflexion」を披露する。ノスタルジックな歌詞で会場を柔らかな雰囲気に導くと、最後は「Love Potion」「悲しみシャワー」を熱唱。アッパーチューンで誕生日ライブを締めくくった。

その後のステージ転換時には、こちらもサプライズゲストの広島カープファン・アンガールズが“グラウンドパフォーマンス”として登場。すさまじい大歓声に迎えられた2人はショートコントを披露するが、ひとネタ終わるたびに大きな歓声と拍手が起こり、山根良顕は「音楽ライブのノリってコレなのよ！」と苦笑いする。一方、田中卓志は「このネタは新井（貴浩）さんと菊池（涼介）さんをイメージして作った」などとカープファン向けの解説を挟み、ファンをさらに沸かせていた。ここに堂珍も加わり、バズーカ砲で出演者のサイン入りTシャツを観客に向けて発射する。マツダスタジアムでの公式マスコット・スラィリーのバズーカ砲を見て、自分もやりたいと思っていたという堂珍は「いい思い出ができました！」と笑顔で語った。

“最終回の攻撃”として登場した奥田民生は、最初に「風は西から」を歌う。奥田は「いやー、室内はいいね！（笑）」と、この曲を披露した2015年11月28日のマツダスタジアムでの弾き語りライブを振り返り、観客を爆笑させる。「考えてもみてくださいよ、このあと（の時期）ですよ、自殺行為ですよ」「去年は優勝すると思って、だから寒くても我慢してやろうと思ってたのに」と愚痴を繰り返した奥田だが、最後は「もし今年（同じライブが）あったら『それどころじゃない』みたいな感じでしょうし。あれはあれで、喜びを失った広島の人にとっていい繋ぎになったんじゃないかと（笑）」と昨年のライブの意義を見出していた。

「何と言う」、そしてユニコーンの「ブルース」を歌った奥田は、この公演の2日後に同会場でライブを行うユニコーンからサプライズゲストの手島いさむ（G）を呼び込んだ。「ちょっと早く来すぎてましたね、昨日は何の用もないのにずっといましたね（笑）」と奥田が語りかけると、手島は「いいじゃない！ 地元なんだから！（笑）」と切り返す。そんな2人は「私はオジさんになった」「デーゲーム」「エコー」と、ユニコーンの楽曲を連続で披露。「デーゲーム」ではカープ優勝記念イベントで自身が作った野球の歌を演奏する喜びに、手島が「作ってよかったー！（笑）」と笑顔を見せる場面もあった。

手島を送り出した奥田は「心強いなあ、1人じゃないっていいなあ（笑）」と語りつつ、「The STANDARD」や、野球日本代表・星野JAPANの公式応援ソングに起用された「無限の風」を力強く歌い上げていく。最後は「さすらい」を高らかに響かせた。

アンコールで奥田が「イージュー★ライダー」を歌ったあとは、出演者全員がステージに登場してカープトークを繰り広げた。奥田は来シーズンに向けて「またこういうイベントができるように、ヤツらに頑張ってもらわないと（笑）」と、改めてカープナインへエールを送った。

全員の合唱による「それ行けカープ」が終わると、奥田はステージ中央に降りたくす玉を割る。中からは「来年こそは日本一！」というカープファンの心情を表したような垂れ幕が現れ、大きな拍手の中で2日間にわたるイベントが終了した。