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グッドモーニングアメリカ、主催フェス「ハチテン」で生まれ育った八王子に恩返し

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「八王子天狗祭2016」終演後の記念写真。(撮影:佐藤広理)

「八王子天狗祭2016」終演後の記念写真。(撮影:佐藤広理)

グッドモーニングアメリカ主催のライブイベント「八王子天狗祭2016」が11月5日に東京・エスフォルタアリーナ八王子にて開催された。

今年初開催となった「八王子天狗祭」では、グドモ含めて総勢17組が「天狗ステージ」「白狐ステージ」という2ステージで熱演を繰り広げた。イベントはまず、グドモメンバーによる開会宣言で幕開け。彼らは「間違いないバンドしか呼んでない。TOTALFATやTHE WELL WELLSなど先輩が築き上げてきたものを受け継いで俺らがあるので、歴史も感じてもらえたら」「八王子がいい街だなと思ってもらえたらうれしい」とイベントへの思いを語り、「『八王子天狗祭2016』始めます!」と声をそろえてイベントをスタートさせた。

天狗ステージのトップバッターを務めたのはニューロティカ。彼らは「八王子出身、八王子育ちなのにアウェーです」と冗談交じりに言いながらも、ド派手なパフォーマンスで観客を魅了していく。フロアで観ていたたなしん(B, Cho / グッドモーニングアメリカ)がクラウドサーフする場面もあり、さっそく会場は大いに盛り上がった。白狐ステージはRhythmic Toy Worldのライブからスタート。内田直孝(Vo, G)は「ハチテン、準備できてるか! この会場がどれだけ暴れられるか確認してこいって言われてます!」とファンを焚きつけ、ドライブ感のあるナンバーを投下。また内田は、入場規制がかかったために入場待ちをしているファンの様子を観に行くなど、自由なステージングで白狐ステージの温度を引き上げていた。

その後、天狗ステージにはアルカラTHE BAWDIESGOOD ON THE REELTHE BACK HORNKEYTALKストレイテナー、TOTALFATが登場。彼らはそれぞれにグドモとの思い出や八王子にちなんだエピソードなどを語りながら、ライブを進行していく。グドモの楽曲「言葉にならない」をSEに入場したアルカラは、たなしんからの置き手紙でイベントの出演のオファーが来たことを明かし、続くTHE BAWDIESはイベントのフードブースに出店している高尾山名物の天狗ドッグをモチーフにした小芝居をしてから「HOT DOG」の演奏に入った。浮遊感のあるサウンドでオーディエンスの体を揺らしたGOOD ON THE REELは2010年のグドモとの出会いを回想し、「じじいになっても一緒にやっていきたい」と語る。

激情的なサウンドでオーディエンスを暴れさせたTHE BACK HORNの松田晋二(Dr)は同イベントについて「素晴らしいフェス。バンドにしかできないものだと思う」と大絶賛。KEYTALKはグドモの渡邊幸一(G, Cho)のリクエストだという「MABOROSHI SUMMER」を1曲目に演奏すると、たなしんの決まり文句「ファイヤー!」をモジった「サンバー!」という掛け声で会場を1つにする。八王子で結成されたストレイテナーは、八王子にゆかりのあるバンドとしてオファーを受けたことを明かし「断る理由がありませんでした。これからも続いていくといいなと思います」と思いを語った。

Rhythmic Toy Worldのアクトのあと、THE WELL WELLS、Northern19ircleSWANKY DANK、フラチナリズム、LEGO BIG MORLHalo at 四畳半が登場した白狐ステージ。たなしんがフロアでファンと共にサークルモッシュークルをするなど、こちらのステージにもグドモメンバーは足を運び仲間のライブを見守った。八王子を拠点に活動を続けるTHE WELL WELLSは八王子を歌った「Go!eddy!GO!」を届けたのち、09 THE WELL WELL(B, Vo)が「僕はこの狭間という場所でイベントをやってくれたグッドモーニングアメリカに本当に感謝します」と、エスフォルタアリーナ八王子のある狭間の名前を出しながら熱い言葉を送る。グドモと同世代で、for better, for worse時代から親交のあるNorthern19は、グドモの金廣真悟(Vo, G)が好きだという「THE NIGHT WITHOUT A STAR」を届けて場内を盛大なシンガロングで満たした。グドモと共に八王子観光PR特使を務めるフラチナリズムはグドモの「コピペ」のカバーをプレイして会場を盛り上げた。白狐ステージのトリを飾ったのはHalo at 四畳半。白井將人(B)が「俺らが終わったら天狗ステージに走って、俺らの気持ちを持って行ってください」とファンへ投げかけ、4人は熱のこもった演奏を見せる。また渡井翔汰(Vo, G)はグドモ監修の「あっ、良い音楽ここにあります。」の参加をきっかけに、音楽で生きていくということを決めたと話し、続けて、今、グドモの夢である「八王子天狗祭」に出演できている喜びを感慨深く語った。

グドモの前に天狗ステージでパフォーマンスをしたのは、グドモメンバーと高校のクラスメイトであり、バンドとして盟友であるTOTALFAT。彼らは「いつしか『祭あるところにTOTALFATあり』と言われるようになり、今宵もここにきました!」と声を上げ、ファンがタオルを回してジャンプした「夏のトカゲ」、フロアにいくつもサークルモッシュが発生した「Room45」といった楽曲で“祭”を盛り上げる。Shun(Vo, B)はグドモについて「1つ夢を叶えて現実にしてくれた」と賞賛し、「未来に向けた曲をいっぱい書いている。俺たちに未来を届けてくれるのがグドモなわけです」と彼らへの思いを述べると、最新曲「ONE FOR THE DREAMS」を力強くプレイして、グドモへとバトンを渡した。

いよいよこの日の主役、グドモのアクトへ。場内が暗転すると、2階席にたなしん扮する“たな天狗”が現れる。そして彼が1階を指差し「今そっちに行くから!」と言うと、次の瞬間にステージにたなしんが現れ、ファンを驚かせた。彼は「どのバンドもめっちゃカッコよかったでしょ? 観てるみんなもめっちゃいい顔してたよ」と声を弾ませ、「ファイヤー!」の合図で金廣、渡邊、ペギ(Dr, Cho)を呼び込んだ。バンドは「コピペ」「拝啓、ツラツストラ」といった疾走感あふれる楽曲で場内をさらにヒートアップさせる。MCでは渡邊が「俺たちは八王子で生まれて、八王子で育ってきたバンドです。いつか八王子に恩返しがしたい、フェスをやりたいと思ってました。そしてついに今日に、叶えることができました!」と高らかに述べ、金廣も「八王子という場所はバンドを組んで、青春を送ってきた場所です。もらったものはなかなか返せるものじゃないけど『八王子天狗祭』を続けていくってことが、恩返しになるんじゃないかと思っています。来年もできたら」と八王子への愛を口にした。そして八王子へ帰省する際の景色や思いを描いたという「いつもの帰り道」をしっとりと歌唱したのち、バンドは大きな合唱が広がった「空ばかり見ていた」で本編を締めくくった。

アンコールでバンドは12月にニューアルバム「鉛空のスターゲイザー」をリリースすることを発表する。金廣の伸びやかな歌声で「そして今宵は語り合おう」を届けたあと、「未来へのスパイラル」を演奏すると、ステージ袖から出演者が続々と登場。賑やかなフィナーレを迎える。最後にたなしんが「バンド続けててよかったー!」とはじける笑顔を見せ、温かなムードが広がる中、初めての「八王子天狗祭」は幕を下ろした。

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