ヘルシンキ、くるりカバーも披露したワンマンで稲葉「かかってこいよー！」

Helsinki Lambda Clubが6月26日に東京・CHELSEA HOTELにて、ワンマンライブ「We Can Work It Out!!」を開催した。

この公演は彼らが6月8日にシングル「友達にもどろう」をリリースしたことを記念して行われたもの。大学を卒業できない佐久間公平（G, Cho）が、学業を優先して一時的にバンドを離脱してしまったため、彼らは3人編成の1部と、サポートギタリストにKidori Kidoriのマッシュ（Vo, G）を迎えた2部という2部制でこの日のライブを実施した。

定刻通りにステージに登場した橋本薫（Vo, G）、稲葉航大（B, Cho）、アベヨウスケ（Dr, Cho）は「バンドワゴネスク」でライブを開始。稲葉はステージの中央へ踊り出て、白目を剥きながらベースを弾き、さらにはTシャツを脱いで上裸になってポーズを決め、観客を笑わせる。「Skin」では橋本、稲葉、アベがユニゾンし、爽快な歌声を届けた。

アベの豪快なドラミングが光る「ルイジアナの類人猿」を経て、披露されたのは使い切れないリップクリームについて歌った新曲「lipstick」。センチメンタルな雰囲気の楽曲を、橋本は丁寧に歌いあげた。「友達にもどろう」収録のパンクナンバー「メリールウ」を経て、橋本は「本当はギターがいたんだよね。で、今はいなくて……」と話し、今回のライブが2部制になった経緯を説明。「佐久間はきっと今、机にかじりついていると思う。オシャレな服を買ったり、オシャレなピザをInstagramに載せたりなんてしてないと思う」と佐久間の現在を想像で語りながら、マッシュをはじめ、支えてくれる友達への感謝の言葉を口にした。そして3人は本編最後となった新曲「マニーハニー」まで駆け抜け、ステージをあとにした。

マッシュを迎えた2部は「ぢきぢき」でスタート。橋本、稲葉、アベ、マッシュの4人によるふくよかなコーラスワークで魅せた「ばっくとぅーざふゅーちゃー」が終わると、稲葉は「安心感、パネー！」とマッシュに目を向ける。稲葉の発言を受けて起こった拍手に対し、照れくさそうにしていたマッシュだったが、続く「ハイパーインフレーション」でメンバーとともに豪快にフレーズを奏で、稲葉の言葉を裏付ける息の合ったプレイを見せていた。

橋本が稲葉に「ワンマンっぽいMCやってよ」と振り、稲葉はマッシュが鳴らす切なげなコードに乗せて、バンドというものについてしみじみと語り始める。ヘルシンキらしくないアツいMCに、フロアからじわじわと笑いが起こる中、最後に稲葉が「俺らは全力でいくから、お前らも全力でかかってこいよー！」と叫ぶと、笑いをこらえていた観客たちも思わず吹き出し、会場は大爆笑に包まれた。

その後ヘルシンキは、Kidori Kidoriが6月8日にリリースした新作「フィールソーグッド e.p.」の中でカバーしている、くるりの「東京」をカバー。ヘルシンキ流の「東京」にじっくりと耳を傾けていたオーディエンスたちだったが、続く「ユアンと踊れ」では陽気なサウンドと軽快なリズムに乗って体を揺らしていた。

橋本は「こんなにたくさんの人に集まってもらえるまで、よくやってこれたなと思います。僕らみたいなバンドがもっと売れたら、バンドって夢があるなと思ってもらえるはず。これからもいい音楽を作っていくので、よろしくお願いします」と語り、バンドは「友達にもどろう」より「しゃれこうべ しゃれこうべ」と「TVHBD」を披露。大盛り上がりのうちに第2部を終了させた。アンコールでは「シンセミア」と「All My Loving」が届けられ、この日のライブは幕引きとなった。

Helsinki Lambda Clubファーストマキシシングル「友達にもどろう」発売記念ワンマンライブ
"We Can Work It Out!!"
2016年6月26日 CHELSEA HOTEL セットリスト

第1部

01. バンドワゴネスク
02. 宵山ミラーボール
03. Skin
04. おやすみセバスチャン
05. ビートニクの恋人
06. ルイジアナの類人猿
07. lipstick
08. Justin Believer
09. メリールウ
10. 檸檬倶楽部
11. マニーハニー

第2部

01. ぢきぢき
02. ばっくとぅーざふゅーちゃー
03. 目と目
04. ハイパーインフレーション
05. Lost in the Supermarket
06. メサイアのビーチ
07. 東京（くるりカバー）
08. ユアンと踊れ
10. しゃれこうべ しゃれこうべ
11. TVHBD
＜アンコール＞
12. シンセミア
13. All My Loving