HERE企画でピエール中野、アルカラ共鳴熱演

8月19日に東京・TSUTAYA O-WESTでHEREの自主企画「HERE presents GLAMOROUS STUDY:point16 共鳴編」が開催された。この公演はHEREの最新アルバム「I WANNA EAT YOUR CHAOS」のレコ発ツアーを兼ねて実施されたもので、HERE、アルカラ、ピエール中野（凛として時雨）の3組による熱いステージが繰り広げられた。

トップバッターを飾ったピエール中野は嵐「A・RA・SHI」を歌いながらステージに登場。即興のドラムソロに続けて、凛として時雨「Telecastic fake show」「COOL J」のドラムレス音源にあわせたプレイを披露した。MCでは「HEREは前身のインビシブルマンズデスベッド時代から凛として時雨でお世話になっています。今日出演できたことに感謝しています」と話してから、「ちなみに先日、『Mステ』に出まして。ドラマーってくだりはほんの少しで、夏フェスでDJやってるところと『A・RA・SHI』を歌ってるところが全国のお茶の間で流れました」と近況を報告。続けて中野は「今日のイベント盛り上げるために死ぬ気でやります！」と宣言し、Perfume「レーザービーム」や、童謡「どんぐりころころ」などでアグレッシブな演奏を見せ、最後に凛として時雨「nakano kill you」を届けてステージをあとにした。

続くアルカラは「踊れやフリーダ」から演奏をスタートさせ、稲村太佑（G, Vo）が「渋谷ひさびさに来たぜ！ みんな踊れるか！」と観客を煽り、マイケル・ジャクソンの扮装をしたHEREの宮野大介（Dr）が登場して華麗なダンスを披露するなど冒頭からにぎやかなステージを展開していく。

ライブの中盤、稲村は出会ってから3年になるというHEREに向けた手紙を読み上げた。ここでは、尾形回帰（Vo）に飲み屋の飲み代が5000円だったところを途中参加だったため3000円でいいと言われたのに、支払った後さらに3000円を請求されたこと、稲村が武田将幸（G）に下の名前の読み方を聞いたときに「“まさ”に“しあわせ”と書いてまさゆきです」と少しずれた回答があったこと、三橋隼人（G）は稲村が2年ほど前からビールを何杯飲んだかを「今、何橋？」と聞くたびに「まだゼロ橋です」などと答えてくれていることなどが明かされる。稲村はさらに手紙を読み続け、宮野には「いつも笑顔で対応してくれてありがとう、『笑顔の裏側に恐ろしい何かがありそう』とつしまみれのメンバーが言ってました」とメッセージを送った。その後キレのある演奏で観客を魅了したアルカラは、勢いを保ったままラストに「アブノーマルが足りない」「半径30cmの中を知らない」を連発してライブを締めくくった。

トリを飾ったHEREは、尾形の「行くぜ！」のかけ声を合図に「CHAOTIC SYMPATHY」でライブの口火を切る。「遺伝子のバラード」からはハジメタル（Key）が参加し、アンサンブルに彩りを加えたほか、絶叫やエアギター、ステージを駆け回るなど派手なパフォーマンスでも会場を盛り上げた。「死ぬくらい大好き愛してるバカみたい」では、スリリングなサウンドとともに尾形の絶叫と観客を巻き込んでの合唱が響きわたり、狂騒に拍車をかけた。

メンバー紹介のコーナーでは、各人が順番にソロ演奏をしている最中、新たに1台のドラムセットが組まれた。そしてアルカラの下上貴弘（B）、疋田武史（Dr）、田原和憲（G）と、水色のウィッグに白いワンピースで女装した稲村がゲストとして招かれ、HEREとアルカラの合体バンドで「交差点」を披露。尾形の朗読をはさみ、情熱的なナンバー「アモーレアモーレ」では、稲村がバイオリン演奏を披露するなど総勢10名の合体バンドはお祭り騒ぎのセッションを展開していく。曲間では尾形と稲村がフロアに降りて、観客に持たせたフロアタムを叩き狂うなど破天荒なパフォーマンスも飛び出し、大きな盛り上がりを見せた。

アルカラの退場後、尾形は「どうでしたか、まさにロックオーケストラのような共演。お互いの“ロック”を信頼し切っていて、友達であるということ以上に、音楽でつながっているからこのセッションが実現できた」と興奮した様子でセッションを振り返った。さらにアンコールなしですべてを出し尽くす旨を宣言してから、バンドはラストスパートとばかりにキラーチューン「PASSION」「感情超常現象」を畳みかけ、ライブの幕を下ろした。

※記事初出時、キャプションにてアーティスト名の表記に誤りがありました。訂正してお詫びいたします。