EGO、スチャ、魂、MAX、黒沢、RG!清水ミチコ年末武道館

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12月30日、清水ミチコによる初の日本武道館ライブ「国民の叔母・清水ミチコの『ババとロック』in 日本武道館」が開催され、清水のほかEGO-WRAPPIN'グループ魂スチャダラパー、MAX、マキタスポーツ、黒沢かずこ(森三中)、椿鬼奴、レイザーラモンRGが出演した。

「Gift~心を込めて」を口パクでパフォーマンスする清水ミチコとマキタスポーツ。

「Gift~心を込めて」を口パクでパフォーマンスする清水ミチコとマキタスポーツ。

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フィナーレにて、清水ミチコが「よいお年を!」と言った瞬間に金銀のテープが発射された様子。

フィナーレにて、清水ミチコが「よいお年を!」と言った瞬間に金銀のテープが発射された様子。

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EGO-WRAPPIN'

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スチャダラパー

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「Tacata'」を歌い踊る椿鬼奴とMAX。

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グループ魂

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大きな期待感渦巻く武道館で最初に行われたのは、世界的な和太鼓奏者・林英哲による和太鼓演奏。大きな日の丸を掲げた武道館に数分間、和太鼓の力強い音のみが響き渡り、大方の予想を裏切るかのような日本情緒にあふれた厳かな時間が流れる。これを経て本日の主役・清水ミチコが拍手に迎えられて登場すると「ただ今より、国民の叔母・清水ミチコの『ババとロック』を開演いたします!」という開会宣言を行い、「国歌斉唱」という文字がスクリーンに出た。

そして登場したのは松崎しげる。予告されていなかったゲストに対し笑いが起こりながらも全員起立する中、しげるは「君が代」を熱唱し、一礼してステージを去る。清水はこれを横で眺めながら「本当に松崎しげるさんにお願いしてよかったと思っております」と話し、「世の中には緊張と緩和が大切と言いますが、もうこれで緊張部分は終わりました。あとは緩和、緩和です。今日は、お笑い好きのミュージシャンと、音楽寄りの芸人が登場します。自信を持ってお届けします! どうぞ皆さんお楽しみください!」とオープニングセレモニーを締めくくった。

このあとステージ上のスクリーンでは幕間映像として、清水と黒柳徹子による撮り下ろし対談映像を上映。その後はアナウンスされていた出演者がそれぞれパフォーマンスを展開する。1番手は、「こんばんは、お笑い大好きEGO-WRAPPIN'です!」と自己紹介したEGO-WRAPPIN'。中納良恵(Vo)と森雅樹(G)は盤石のバンドメンバーとともに「くちばしにチェリー」「サイコアナルシス」とライブでの定番曲を披露し、中納は「今日は晦日、こんな素晴らしい年越しを過ごせることがすごく幸せです。清水さんありがとうございます!」と主催の清水に呼びかける。その後「A Love Song」「GO ACTION」を演奏し、「武道館おもろなーれー!」と言葉を放って出番を終えた。

次のアクトを待つ転換タイムでは、作詞・松尾スズキ、作曲および編曲・清水ミチコによる「セットチェンジの歌」のビデオクリップがスクリーンに映し出された。清水と松尾がキャッチーな歌謡曲をデュエットする映像で、転換中も観客を楽しませる。

その後、浴衣姿のレイザーラモンRGがステージ上手に現れると大歓声が起こる。RGは聖飢魔II「蝋人形の館」のカラオケに乗せて“武道館あるある”を披露。「武道館は駅から遠い」というあるあるを言い終えたあとは「蝋人形の館・武道館へようこそ!」と呼びかける。次に“清水ミチコあるある”を、彼女が一番大事にしている曲だという玉置浩二「田園」に乗せて歌い、「清水ミチコはピアノめちゃうまい」というオチで爆笑を取って颯爽と退場した。

メインステージ2番目のアクトは、清水曰く「日本一のコミックバンド」であるマキタスポーツ。マキタは「今日はミチコさんがデビューしたジャンジャン(東京・渋谷にあった小劇場)みたいな空間にしましょうよ! ライブハウスジャンジャンへようこそ!」と言って懐メロメドレーを展開。歌い出しまでのEarth, Wind & Fire「September」、音頭風にアレンジされた尾崎豊「15の夜」、“島唄”ならぬ鼻歌調のTHE BOOM「島唄」などを盛り込み、唯一無二の芸の腕前を発揮する。続いては、彼の鉄板ネタでもある、桑田佳祐のモノマネによる「乾杯」と長渕剛のモノマネによる「いとしのエリー」を交互に歌うという「いとしのエリーに乾杯」。最後は、歌詞の肝心な部分がハミングになっている“加山雄三風”のオリジナルソング「若大将のハミングソング」で武道館中の笑いをさらった。

椿鬼奴は、悲壮感漂う黒のロングドレスでステージ下手に登場し、聴き取れないほど震えたかすれ声で八代亜紀「舟歌」をカバー。すると鬼奴は「八代亜紀さんは今一番私が気に入ってるモノマネなので、もう1曲、私も知らない曲なんですがたぶんこうであろうというメロディで、八代亜紀さんのアルバム曲を歌いたいと思います」と話して、「一枚のLP盤」も歌い上げた。3曲目は、RGも参加して2人の十八番であるBARBEE BOYS「目を閉じておいでよ」のモノマネパフォーマンス。鬼奴は杏子に、RGはKONTAになりきって熱唱し、場内は盛大な盛り上がりを見せた。

続いてはMAX。NANA、LINA、MINAの3人はまず「GET MY LOVE!」「Seventies」「TORA TORA TORA」をつなげた懐かしのユーロビートメドレーを投下。NANAは「こんなに笑いのあるステージは初めて」と客席を見渡し、MINAは「私たちも笑いを持ってこれなくてすみません!」と謙遜する。しかし次の「Tacata'」ではスペシャルメンバーとして鬼奴を呼び込む。「おひさしぶりです!」と数分ぶりにステージに現れた鬼奴とMAXは4人で初めてフルサイズの「Tacata'」をコレボレーションし、アラフォーとは思えぬキレのあるパフォーマンスで観衆を魅了した。

次のスチャダラパーは、「GET UP AND DANCE」から真っ当にライブを始めると「まあこうなるよね。さっきの鬼奴が焼け野原にしていった後処理な」と歯に衣着せぬMCで笑いを取る。彼らは「ライツカメラアクション」「CHECK THE WORD」で客席とのコール&レスポンスを楽しんだあと、「今夜はブギー・バック(smooth rap)」「ザ・ベスト」で場内を総立ち状態にして出番を終えた。

この転換タイムには、清水とマキタスポーツが「Gift~心を込めて」というミュージカル調のオリジナル曲をデュエット。身ぶり手ぶりを交えた熱演に客席が聴き入ったのもつかの間、2人のパフォーマンスは口パクで、歌詞も「口パクは何も悪くない」というメッセージになり爆笑を巻き起こした。

イベントにさらなる衝撃をもたらしたのは、「狂女演舞」とスクリーンに文字が出て登場した黒沢かずこ(森三中)のパフォーマンス。全身金の衣装に身を包んだ“千手観音かずこ”は、MISIA「Everything」と倖田來未「キューティーハニー」に乗せて独創的な歌唱を披露。カメラマンや機材をセッティング中のスタッフに絡みながら挑発的な身のこなしと歌で場内の視線を釘付けにし、嵐のように去ると辺りはしばらく騒然としたままだった。

グループ魂はこの日、千葉・幕張メッセで開催された「COUNTDOWN JAPAN 13/14」への出演を終えて駆け付けた。港カヲル(46歳)は、3年前に実施したグループ魂の武道館公演のことを思い返しながら「いやー他人の武道館最高! 自分ちの風呂とコインシャワーくらい違うよね! コインシャワー武道館へようこそ!」と晴れ晴れした表情で語り、「ババとロック」にかけて「嫁とロック」からメンバーたちが演奏を始める。その後は「君にジュースを買ってあげる」「職務質問」「中村梅雀」「ペニスJAPAN」と次々にキラーチューンを送り、あまちゃん、半沢直樹など今年のトピックと下ネタをふんだんに盛り込んだMCも絶好調。2013年最後のステージを“らしさ”全開で務め上げた。

そしていよいよトリを飾る清水ミチコのライブパートへ。誰のモノマネで登場するのか?という観衆の期待が膨らむ中、スクリーンに「YUMISO LIVE」と文字が出て、清水が松任谷由実の最新ナンバー「Babies are posters」を歌いながら現れた。彼女は以前ユーミンの武道館ライブを客席で観ており、思い入れの深いユーミンのモノマネを武道館でするのが夢だったという。

その後は、1ケタ代のタラちゃんから100歳代のきんさんぎんさんまでを再現する声ネタのメドレー「100年の声の歌」、歌モノマネを男女交互に披露する「一人紅白歌合戦」、いきものがかりと山下達郎をそれぞれ題材にした「作曲法」と続いていく。山口もえ、杉本彩、真矢みき、市原悦子、綾戸智恵、井上陽水、森山良子、秋川雅史など、清水の人気モノマネの集大成とも言えるパフォーマンスを前に、客席はたびたび大きく沸き上がった。クライマックスでは「一番好きな歌手」と話す矢野顕子の「ひとつだけ」を、忌野清志郎とのデュエットバージョンでじっくりと弾き語り。本編最後は、拍手喝采を浴びながらモノマネレパートリーを五十音順に早口で披露しながら、出し惜しみなしのアクトを全うした。

アンコールでは、この日の出演者が大集合。センターに立つ清水が「最後にみんなで武道館で歌いたい曲があるんです」と前置きして、場内に流れ始めたのは「サライ」。「まったくバラバラで全然1つになれる気がしない」と言うBose(スチャダラパー)をはじめ戸惑う出演者をよそに、清水は「口パクでいいから! (谷村新司の)歌入りだから! 私、これ夢だったんで本当にうれしいです!」と感激している様子。また、曲が後半に差し掛かるとアリーナ後方の扉が開き、そこには「24時間テレビ」のマラソンランナーのように黒沢かずこの姿が。黒沢は足を引きずりながらステージ上のゴールに一歩一歩近付き、場内全員が「がんばれー!」と声援を送るという、「24時間テレビ」でおなじみの光景が同じ武道館で繰り広げられた。

黒沢は「サライ」が終わると同時にゴールテープを切り、清水は「今日はありがとうございました! よいお年を!」と挨拶。退場時には、こちらも年末恒例のベートーベン「交響曲第9番」が流れ、約4時間弱にわたる笑い倒しの武道館公演は幕を閉じた。なお、このイベントの模様は1月4日(土)19:00からWOWOWにて2時間オンエアされる。

国民の叔母・清水ミチコの「ババとロック」in 日本武道館
2013年12月30日 日本武道館 セットリスト

オープニング

和太鼓 演奏 / 林英哲
開会宣言 / 清水ミチコ
国歌斉唱 / 松崎しげる

VTR:清水ミチコ×黒柳徹子(1)

EGO-WRAPPIN'

01. くちばしにチェリー
02. サイコアナルシス
03. A Love Song
04. GO ACTION

VTR:清水ミチコ&松尾スズキ「セットチェンジの歌」

レイザーラモンRG

01. 武道館あるある(聖飢魔II「蝋人形の館」に乗せて)
02. 清水ミチコあるある(玉置浩二「田園」に乗せて)

マキタスポーツ

01. マキタスポーツのテーマ
02. 懐メロメドレー
September(EARTH, WIND & FIRE)~15の夜(尾崎豊)~島唄(THE BOOM)~パイプライン(THE VENTURES)~さくら(独唱)(森山直太朗)
03. いとしのエリーに乾杯
04. 若大将のハミングソング

椿鬼奴

01. 舟歌(八代亜紀)
02. 一枚のLP盤(八代亜紀)
03. 目を閉じておいでよ(BARBEE BOYS) / 椿鬼奴+レイザーラモンRG

MAX

01. ユーロビートメドレー
GET MY LOVE!~Seventies~TORA TORA TORA
02. Tacata' / MAX+椿鬼奴

スチャダラパー

01. GET UP AND DANCE
02. ライツカメラアクション
03. CHECK THE WORD
04. 今夜はブギー・バック(smooth rap)
05. ザ・ベスト

清水ミチコ+マキタスポーツ「Gift~心を込めて」

黒沢かずこ(森三中)

01. MISIA「Everything」に乗せて
02. 倖田來未「キューティーハニー」に乗せて

グループ魂

01. 嫁とロック
02. 君にジュースを買ってあげる
03. 職務質問
04. 中村梅雀
05. ペニスJAPAN

VTR:清水ミチコ×黒柳徹子(2)

清水ミチコ

01. Babies are posters(松任谷由実)
02. 100年の声の歌
03. 一人紅白歌合戦
Tennessee Waltz(綾戸智恵)~見上げてごらん夜の星を(木村充揮)~かもめはかもめ(研ナオコ)~少年時代(井上陽水)~さとうきび畑(森山良子)~千の風になって(秋川雅史)~ひこうき雲(荒井由実)~ヨイトマケの唄(美輪明宏)
04. ひとつだけ(矢野顕子 with 忌野清志郎)
05. Lover Come Back To Me
<アンコール>
サライ / 全出演者

※記事初出時、スチャダラパーの演奏曲目に抜けがありました。訂正してお詫びいたします。

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