東出昌大が根津甚八からの“たすき”引き継ぎ挑んだ「GONIN サーガ」

本日8月7日、東京都内にて「GONIN サーガ」の完成報告記者会見が行われ、キャストの東出昌大、桐谷健太、土屋アンナ、安藤政信、竹中直人、そして監督の石井隆が登壇した。

本作は石井が1995年に発表した「GONIN」の続編。19年前に起きた暴力団・大越組襲撃事件と因縁を持つ若者たちが結集し、新たな戦いに身を投じていく物語を描く。

出演が決まったときの気持ちを聞かれた東出は、前作に出演した根津甚八が事務所の先輩であることから「前作に携わっていた方々に話を伺い、プレッシャーというよりはたすきだと思って、それを引き継いでいければと思い臨みました」と話す。桐谷は「『GONIN』は何回も観ている映画だったんです。その続編で、しかも“5人”の中の1人になれるなんて！ 前作をあわせたら10人なんですけど……」と笑いを誘う。一方石井組常連である竹中は「石井監督自身の存在が大好きで、石井さんの作品には全部出たいと思ってるくらい。だから自分からお願いします、と」と、自ら出演を申し込んだという裏話を披露した。

さらに今作は、5年前に俳優引退宣言をした根津が再びスクリーンに復活したことでも注目を集めている。キャストらは根津と石井の深い信頼関係に感動したことや、憧れの役者と共演したことの喜びを噛みしめる。東出は「根津さんが帰られる車を送るため、僕と桐谷さんと柄本（佑）さんとで外に出ていったんですが、そのあとはこみ上げるものがあってしばらくは会話ができなかったです」としみじみ振り返る。竹中も「ヌードの夜」で初めて憧れの根津と共演したことを思い出しながら「今回のパンフレットに根津さんの文章が書いてあったときは『うおおー！』って。『まだまだ俺もやんなきゃな』ってエネルギーをもらいました」と時折芝居を交えながら話した。

役と自身との共通点について質問があがると、安藤は「僕が演じた式根（誠司）は、父親の存在がすごく大きくてもがいている役。でも僕自身の親父はいつも酔っ払っていてベロベロで、陽気なおっつぁんなんで（笑）。式根は父親を超えられないけど僕はとっくに超えたかな」とマイペースな返答で場を和ませる。そしてそれに釣られた竹中が「僕のお父さんは労働組合の代表とかやってて……あ、僕の役はお父さん関係ないのか。もう役と自分を比べるのとかはわかんない、嫌だもん人殺すのとか！」と発言し爆笑を巻き起こす場面も。

最後に東出は「いろんな人のいろんな思いが詰まった作品です。前作を観た方はもちろん観ていない方も楽しめる映画になっていると思います」と作品をアピール。石井は「19年かかりました。去年の6月に撮り始めて半年かけて編集して、もうじきやっと皆さんに観ていただける。早く羽ばたいてほしいと思っています」とコメントし、会見を締めくくった。

「GONIN サーガ」は9月26日より全国ロードショー。