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メディア芸術祭作品展が明日より、内覧会で東村アキコ「無我夢中で描いた」

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壁面に即興でイラストを描く東村アキコ。

壁面に即興でイラストを描く東村アキコ。

第19回文化庁メディア芸術祭受賞作品展が、明日2月3日から14日まで、国立新美術館ほかにて開催される。本日2月2日にはプレス向けの内覧会が行われた。

東村アキコ「かくかくしかじか」が大賞、志村貴子「淡島百景」、田亀源五郎「弟の夫」、業田良家「機械仕掛けの愛」、HO Tingfung「Non-working City」の4作が優秀賞、ネルノダイスキ「エソラゴト」、おくやまゆか「たましい いっぱい」、安藤ゆき「町田くんの世界」が新人賞を受賞したマンガ部門。内覧会には東村をはじめ、業田、田亀らも出席した。

東村は作品執筆の経緯について「私が大好きな藤子(A)先生の『まんが道』の少女マンガ版がないじゃないかということで、自分がマンガ家になるまでの道のりを、女性版『まんが道』というテーマで描いてみようというところから始まりました」と説明。また劇中に登場する恩師・日高先生について「(作品を描きはじめたら)予想外に恩師へのメッセージが湧き上がってきた」と当時の心情を打ち明け、「(先生に対して)生意気だったり迷惑をかけたっていう、懺悔の思いが止まらなくなって、何の計算もせず、打ち合わせもしないで、無我夢中で描いた」と振り返る。最後に「クリエイターというのは(創作の際に)神が降りてくるとか、アイデアが湧いてそれを形にしたら素晴らしい物が出来たとよく言います。ただ産みの苦しみというか思い出したくないことを、苦しみながら自分の中から引きずり出して作品にするというやりかたもあるんだなっていうのを、この作品を描きながら再認識しました」と語った。

その後登場した業田は「国立新美術館にまさか自分のマンガが展示されるとは思っていなかったのですごくうれしい」と喜びを口にする。田亀は作品について「(『弟の夫』が)受け入れられた要因のひとつに、『LGBT』という言葉が流行的に使われるようになってきた時代の流れもあると思うんです。ただこの言葉がメディアを賑わす以前から社会の中にこういった人々はいて、仮に『LGBT』が流行語として一過性で消えていったとしても、これからも社会の中に居続けるということを私の作品を通じて感じ取っていただければ」と呼びかけた。

受賞作品展はアート部門、エンターテインメント部門、アニメーション部門、マンガ部門を4つのゾーンに分けて実施。「かくかくしかじか」のコーナーには同作の原画をはじめネーム、東村の仕事場のパネルなどを展示。また壁面に東村が即興で描き下ろした「かくかくしかじか」のイラストも。

このほか「弟の夫」のブースではネームから、下描き、ペン入れ原稿、完成原稿までが一堂に会する。「たましい いっぱい」ブースの壁面には、おくやまが会場で描き下ろしたイラストが所狭しと並ぶ。

なお会期中には受賞者が登壇するトークショーをはじめとした、関連イベントも多数実施。文化庁メディア芸術祭の公式サイトでは、事前申し込みを受け付けているので気になる人は確認してみては。

第19回文化庁メディア芸術祭 受賞作品展

会期:2016年2月3日(水)~2月14日(日)
会場:国立新美術館、TOHOシネマズ 六本木ヒルズ、スーパー・デラックス、セルバンテス文化センター東京
入場料:無料

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