「SHIZUOKAせかい演劇祭2025」演出家3人の思い&SPAC稽古場レポ (3/3)

「SHIZUOKAせかい演劇祭2025」ラインナップ

新たな名称になって初めての「SHIZUOKAせかい演劇祭」は、4月26日から5月6日まで、11日間にわたって開催される。ここでは各作品の見どころを紹介する。なお上演演目の他に、多彩な関連企画も用意されているので、来場の際はぜひ参加してみては。

「〈不可能〉の限りで」

「〈不可能〉の限りで」より。 ©MAGALI DOUGADOS

2025年4月26日(土)~29日(火・祝)
静岡県 静岡芸術劇場
作・演出:ティアゴ・ロドリゲス

ポルトガル出身の劇作家・演出家、俳優で、2022年よりフランス・アヴィニョン演劇祭のディレクターを務めているティアゴ・ロドリゲスの作品。赤十字国際委員会や国境なき医師団のメンバーらとの対話をもとに、紛争地帯で活動するものたちの思いを描く。

「マミ・ワタと大きな瓢箪」

「マミ・ワタと大きな瓢箪」より。(撮影:平尾正志)

2025年4月26日(土)・27日(日)
静岡県舞台芸術公園 野外劇場「有度」
演出・振付・出演:メルラン・ニヤカム

カメルーン生まれ、現在はパリを拠点に活動するメルラン・ニヤカムのソロパフォーマンス作品が、昨年に続き静岡にやってくる。アフリカの神話をモチーフにした本作では、ダンスとも儀式とも言えぬ不思議な作品世界が広がる。

SPAC「ラーマーヤナ物語」
ふじのくに野外芸術フェスタ2025

「マダム・ボルジア」(2019年)より。©Y.Inokuma

2025年4月29日(火・祝)~5月6日(火・振休)
静岡県 駿府城公園 紅葉山庭園前広場 特設会場
原作:ヴァールミーキ
構成・演出:宮城聰
作曲:寺内亜矢子
出演:美加理、本多麻紀、池田真紀子、内山怜菜、大内米治、大高浩一、蔭山ひさ枝、加藤幸夫、木内琴子、貴島豪、小長谷勝彦、桜内結う、佐藤ゆず、杉山賢、鈴林まり、大道無門優也、たきいみき、武石守正、舘野百代、保可南、ながいさやこ、西出一葉、藤見花、牧山祐大、三島景太、宮城嶋遥加、山崎皓司、山本実幸、吉植荘一郎、渡邊清楓

「マハーバーラタ」と並ぶインド古代叙事詩の「ラーマーヤナ」をSPACが舞台化。さらわれたシーター姫を奪還すべく、王子ラーマが10の顔を持つ魔王ラーヴァナに挑む冒険譚で、 SPAC俳優総勢30名が多様な役に扮し、駿府城公園を駆け回る。

「叫び」

小島章司。(Compañía Internacional de Flamenco Shoji Kojima_ Festival de Jerez 2023)©Ana Palma

2025年5月2日(金)
静岡県 グランシップ 中ホール・大地
作・構成・演出・出演:小島章司
音楽:チクエロ

今年85歳の現役フラメンコダンサー・小島章司が、エドヴァルド・ムンクの「叫び」に想を得て、“自身の中に刻印された先人たちの叫びや甘い囁き”を見つめた踊りを披露する。

「ラクリマ、涙~オートクチュールの燦めき~」

「ラクリマ、涙~オートクチュールの燦めき~」より。 ©Jean-Louis Fernandez

2025年5月4日(日・祝)~6日(火・振休)
静岡県 静岡芸術劇場
作・演出:カロリーヌ・ギエラ・グェン

フランスのストラスブール国立劇場の芸術監督、カロリーヌ・ギエラ・グェンが、オートクチュールの世界をモチーフにした話題作を上演。英国王妃のウェディングドレス製作というプロジェクトに関わることになった、フランス・パリの名門メゾン・べリアナ。職人たちの手にはさまざまな思いと涙が込められていて……。

「ストレンジシード静岡2025」ラインナップ

2016年にスタートし、10年目を迎えたストリートシアターのフェスティバル「ストレンジシード静岡」。ウォーリー木下がフェスティバルディレクターを務め、「なんだ?なんだ?なんだ?」をテーマに、5月3日から5日まで駿府城公園ほかで繰り広げられる。今回は「10のなんだ?」を切り口に、「なんだ?シアター」と「なんだ?ワークショップ」の2つのプログラムで実施される。

なお各プログラムは、「ストレンジシード静岡」がプロデュース作品を含む【コアプログラム】、「ストレンジシード静岡」とタッグを組んだアーティストによる【オフィシャルプログラム】、公募により選出されたアーティストによる【オープンコールプログラム】で構成される。

なんだ?シアター

【コアプログラム】

中間アヤカ「グルーヴィ・グレイヴ」のイメージ。

中間アヤカ「グルーヴィ・グレイヴ」

2025年5月3日(土・祝)~5日(月・祝)
静岡県 駿府城公園 駿府城跡天守台発掘調査現場
振付:中間アヤカ
出演:中間アヤカ、今貂子、山田航大 ほか

別府生まれ、神戸在住のダンサーの中間アヤカが“⾝体の終焉とその空間に対する理想”をテーマにした新作ダンス作品を、駿府城跡天守台発掘調査現場で立ち上げる。なお本作には今貂子、山田航大のほか公募で集められたアンサンブルダンサーたちも出演する。

大熊隆太郎 / 壱劇屋「末待奉祭(まつまつたてまつりまつり)」イメージ。(Photo:KAWANISHI Saori)

大熊隆太郎 / 壱劇屋「末待奉祭(まつまつたてまつりまつり)」

2025年5月3日(土・祝)~5日(月・祝)
静岡県 常磐公園
作・演出:大熊隆太郎

大阪と東京を拠点に活動する劇団壱劇屋が、日本の神話「天岩戸伝説」をもとに、没入型オールスタンディング演劇を立ち上げる。壱劇屋が得意とするパントマイムやラップなどを盛り込み、観客も巻き込んで、静岡の街に新たな“祭り”を生み出す。


【オフィシャルプログラム】

鈴木ユキオプロジェクト、Co,SCOoPP、ゼロコの3団体が登場。


【オープンコールプログラム】

ジャグリング・ユニット・フラトレス、LINDA×金光佑実×naraka、太めパフォーマンス、演劇ユニットせのび、長岡岳大×長井望美の5団体が参加。

なんだ?ワークショップ

【コアプログラム】

ダンボール天守閣建築プロジェクトのイメージ。

みんなでダンボール天守閣建築プロジェクト「儚きものの造り手たち」

2025年5月3日(土・祝)~5日(月・祝)
静岡県 駿府城公園 富士見芝生広場前
アーティスト:オリヴィエ・グロステット

フランスのアーティスト、オリヴィエ・グロステットが初来日。世界各地の建築物をダンボールで製作する彼が、徳川家康ゆかりの地である駿府城公園で、来場者とともに天守閣をダンボールで製作する。初日の建築から最終日の解体まで、誰もが参加できる参加型インスタレーションとなっている。


【オフィシャルプログラム】

  • 井上義和ダンボールお面制作ワークショップ「ダンボル」
  • しりあがり寿「みんなでおたねちゃんを描こう!」
  • 棚川寛子「リズムピクニック」
  • 駒井友美子「家康もかぶってた?!あの帽子を作ってみよう!!」
  • 深沢襟「〇〇が見えるメガネがあったらいいな!」
  • 静岡あたらしい学校「あるもんで演劇 in ストレンジシード静岡2025」

【オープンコールプログラム】

  • 越智良江「ストレンジシードは10周年!「ソラゴト」」
  • 酒井直之・長澤あゆみ「ダンス・ウェル」
  • TJ presents「まちなかエア違和感プロジェクト体験編/クリエーション編」
  • 市川まや「Throw a Dream~あなたの夢を描いて飛ばそう~」
  • のばなしコン「どうぶつになってみる!?」

プロフィール

宮城聰(ミヤギサトシ)

1959年、東京都生まれ。演出家。SPAC-静岡県舞台芸術センター芸術総監督。1990年にク・ナウカを旗揚げ。2007年に、SPAC芸術総監督に就任。2017年に「アンティゴネ」をフランス・アヴィニョン演劇祭のオープニング作品として法王庁中庭で上演した。代表作に「王女メデイア」「マハーバーラタ」「ペール・ギュント」など。近年はオペラの演出も手がけ2022年にフランス・エクサンプロヴァンス音楽祭にて「イドメネオ」、ドイツ・ベルリン国立歌劇場において「ポントの王ミトリダーテ」を演出した。2004年に第3回朝日舞台芸術賞、2005年に第2回アサヒビール芸術賞を受賞。第68回芸術選奨文部科学大臣賞(演劇部門)受賞。2019年4月にフランス芸術文化勲章シュバリエを受章。

ティアゴ・ロドリゲス

1977年、ポルトガル生まれ。俳優、劇作家、演出家、プロデューサー。2003年に劇団ムンド・ぺルフェイトを設立。2022年にアヴィニヨン演劇祭のディレクターに就任した。

カロリーヌ・ギエラ・グェン

1981年、フランス生まれ。作家、演出家、映画監督。2009年に劇団レ・ゾム・アプロキシマティフを設立。2023年にフランスのストラスブール国立劇場芸術監督に就任した。

横山義志(ヨコヤマヨシジ)

1977年、千葉県生まれ。2000年に渡仏し、2008年にパリ第10大学演劇科で博士号を取得。専門は西洋演技理論史。2007年からSPAC-静岡県舞台芸術センター制作部、2009年から同文芸部に勤務。