市川海老蔵「三月大歌舞伎」に先がけ築地魚河岸訪問、中村雀右衛門の揚巻で初共演

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3月に東京・歌舞伎座にて上演される「三月大歌舞伎」。これに先がけ、築地魚河岸会「江戸紫の鉢巻」目録授受が本日2月24日に東京・築地にて行われ、市川海老蔵が出席した。

左から市川海老蔵、伊藤宏之。

左から市川海老蔵、伊藤宏之。

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「三月大歌舞伎」の夜の部で上演される「助六由縁江戸桜(すけろくゆかりのえどざくら)」は、粋でいなせな美男子・花川戸助六と、恋人である吉原の遊女・揚巻の2人を中心に展開する、曽我兄弟の仇討を題材とした物語。二代目市川團十郎が初演して以来、市川家ゆかりの演目として上演され続けてきた祝祭劇だ。また「助六由縁江戸桜」の上演に先んじて、助六を演じる俳優が魚河岸と吉原へと赴き、舞台で使用する小道具を送られる江戸時代の慣例が、現在では「江戸紫の鉢巻」目録授受として代々受け継がれている。

河東節開曲300年を記念して上演される今回の「助六由縁江戸桜」では、海老蔵が4年ぶり8回目となる助六を演じ、揚巻を五代目中村雀右衛門が初役で勤める。なお海老蔵が初めて助六を演じた2000年の公演では、五代目の父である四代目雀右衛門が海老蔵の相手役を勤めた。

市川海老蔵

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魚河岸会会長・伊藤宏之氏から目録が贈与されたのち、魚河岸水神社遥拝所を参拝した海老蔵は、公演の成功を願って本尊に厚く手を合わせ、深々と頭を下げた。参拝後、囲み取材に応じた海老蔵は、築地市場移転問題について言及。代々受け継がれてきた築地での「江戸紫の鉢巻」目録授受に思いを馳せ、「豊洲に移ってもゆくゆくは戻ってきてほしいと心の奥底で願っています」と胸中を明かした。

市川海老蔵

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「助六由縁江戸桜」への意気込みを問われた海老蔵は「助六を演じるのは市川家としても大きなこと」と述べ、2000年の公演について述懐。「先代の雀右衛門のおじさまが揚巻として出演してくださったことは、当時22歳だった私にとって本当にありがたい出来事でした。おじさまと演らせていただいたときの思いを大切にして、今回の公演に臨みます。五代目雀右衛門のお兄さまとの共演が楽しみです」と笑顔を見せた。

さらに、「1月は市川右團次さんの襲名披露『寿新春大歌舞伎』で時代ものを、2月は『座頭市』でリリー・フランキーさん、三池崇史さん、寺島しのぶさんと新しいことに挑戦して、3月は河東節開曲300年という節目に『助六由縁江戸桜』を演らせていただけて光栄です」と喜びを語り、「お時間がありましたら、歌舞伎座までぜひ足をお運びくださいませ。よろしくお願いいたします」と観客にメッセージを送った。「三月大歌舞伎」は、3月3日から27日まで歌舞伎座にて。

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「三月大歌舞伎」

2017年3月3日(金)~27日(月)
東京都 歌舞伎座

[昼の部]

一、明君行状記(めいくんぎょうじょうき)
二、義経千本桜 渡海屋・大物浦(よしつねせんぼんざくら とかいや・だいもつのうら)
三、神楽諷雲井曲鞠(かぐらうたくもいのきょくまり)

[夜の部]

一、引窓(ひきまど)
二、けいせい浜真砂(けいせいはまのまさご)
三、助六由縁江戸桜(すけろくゆかりのえどざくら)

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