死んだ妻が掃除機の姿で戻って来た…人間と幽霊が繰り広げる愛と抵抗描く映画公開

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第78回カンヌ国際映画祭の批評家週間でグランプリを受賞した映画「A Useful Ghost(英題)」が「ユースフル・ゴースト」の邦題で、7月10日に東京・新宿武蔵野館、ヒューマントラストシネマ有楽町ほか全国で公開される。

「ユースフル・ゴースト」ティザービジュアル

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本作の舞台は、粉じん公害が深刻化するタイ・バンコク。最愛の妻ナットを呼吸器疾患で亡くしたマーチは悲嘆に暮れる日々を送っていた。そんなある日、ナットの魂が掃除機に宿る形で現世に舞い戻り、2人は再び愛を確かめ合う。その頃マーチの家族が経営する工場は、死亡した従業員の霊が機械に取り憑いたことで、操業停止の事態に陥っていた。霊に悩まされる家族や社会から拒絶されたナットは、工場の除霊に協力することで夫への真実の愛、そして自らの存在を“役に立つ幽霊”だと証明しようとする。

「ユースフル・ゴースト」場面写真

「ユースフル・ゴースト」場面写真 [高画質で見る]

タイでは誰もが知っている、“死後も現世に留まって夫と禁断の愛を深めた女性メー・ナーク”の怪談話に着想を得たという「ユースフル・ゴースト」。亡き妻が掃除機に宿って夫のもとへ戻って来るという奇想天外な設定を起点にしながら、記憶と忘却、個人と社会、愛と有用性といったテーマを深掘り。劇中では、人間と幽霊が繰り広げる壮大な愛と抵抗が映し出される。

「ユースフル・ゴースト」場面写真

「ユースフル・ゴースト」場面写真 [高画質で見る]

ダビカ・ホーンがナット、ウィサルット・ヒンマラットがマーチに扮した。ダビカ・ホーンは、メー・ナークの怪談をもとに作られ、タイで大ヒットした2013年製作の映画「愛しのゴースト」でメー・ナーク役を演じて一躍スターダムにのし上がった人物だ。キャストにはアパシリ・ニティポン、ワンロップ・ルンカムチャット、ウィサルット・ホームフアンも名を連ねる。今回が長編デビュー作となるラッチャプーム・ブンバンチャーチョークが監督・脚本を担った。

今回YouTubeで公開された特報には、最愛の人を失い魂の抜けたようなマーチ、掃除機の姿を借りて戻って来たナットの様子が捉えられた。

映画「ユースフル・ゴースト」特報

なおナットの魂が宿る掃除機のデザインは、ラッチャプームの「実用性とバカバカしさを混ぜて」というリクエストに応え、実際に掃除機を作った経験もあるインダストリアルデザイナーのシン・ハオチーが手がけた。前かがみにお辞儀しているような形状が生み出す謙虚な佇まいは、ナットが友好的な霊であることを表している。

カンヌ映画祭の批評家週間でグランプリを受賞した際、ラッチャプームは「(この作品と賞を)役に立つ幽霊もそうでない幽霊も含めて、タイにいるすべての幽霊に捧げたい」とスピーチした。この10年以上、タイでは主に国内の大規模産業の影響による粉じん公害への意識が高まっている。タイ語のホコリに当たる言葉には、空中に漂う小さな粒子という意味のほか、現代のスラングで“人間以下の扱いをされる者”という意味もあるという。ラッチャプームは「声を上げられず、自分の人生を自分で決められない、支配者階級の意のままに動かされ簡単に消されてしまう人々のことです」「霊もホコリも厄介者で、本来いるべきではない場所と時間に現れるという点でよく似ています。家の中、テレビ画面、机の上……。ホコリは境界線など関係なく勝手に現れますが、死んだ人間が生きている人間の世界に戻って来たのが霊です。本来いなくなっているはずなのに時間に逆らってこの世に留まり抵抗しているのです。こうした意味で(ホコリを取り除くための)掃除機に取り憑いた幽霊というのはアイロニックな存在だと考えています」とコメントしている。

配給はSUNDAEが行う。

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映画ナタリー @eiga_natalie

死んだ妻が掃除機の姿で戻って来た…人間と幽霊が繰り広げる愛と抵抗描く映画「ユースフル・ゴースト」公開

舞台は粉じん公害が深刻化するタイ・バンコク
有名な怪談をモチーフにした物語

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#ユースフル・ゴースト https://t.co/LDalLgKhBL

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