Netflix映画「超かぐや姫!」監督・山下清悟らがトーク「自身の映像的な強みをフルに」

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Netflixで世界独占配信中のアニメ映画「超かぐや姫!」。1月中旬に東京の専門学校・HAL東京で特別上映会が行われ、監督・脚本担当の山下清悟、キャラクターデザインの一部を手がけたへちま、CG監督の町田政彌、CG背景監督の草間徹也が登壇した。

「超かぐや姫!」特別上映会の様子。アニメーションプロデューサーの桃原一真(奥左)、監督・脚本担当の山下清悟(奥右)、CG背景監督の草間徹也(手前左)、CG監督の町田政彌(手前右)らが参加

「超かぐや姫!」特別上映会の様子。アニメーションプロデューサーの桃原一真(奥左)、監督・脚本担当の山下清悟(奥右)、CG背景監督の草間徹也(手前左)、CG監督の町田政彌(手前右)らが参加

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本作は誰もが自分の分身で自由に創作活動を行う仮想空間「ツクヨミ」を舞台に、歌でつながる少女たちの絆を描いた物語。7色に光り輝く電柱から見つかったかぐや姫は、都内の進学校に通う17歳の女子高生・酒寄彩葉とともにライバー活動に勤しんでいく。しかし、かぐやを月へと連れ戻す不吉な影がすぐそこまで迫っていた。

「超かぐや姫!」メインビジュアル

「超かぐや姫!」メインビジュアル [高画質で見る]

HAL東京の学生が参加し、アニメーションプロデューサーの桃原一真がMCを務めた本イベント。まず山下は「実制作は3年、企画から数えると5年掛かりました。命懸けで作ってきた作品なので、今日という日が来たことがとても感慨深いですし、皆さんにどう思われているのか怖い部分もあります」と心境を語る。また「どういう作品にしたいか、今だったらどういうものが(世の中に)受けるのかなどを説明しつつオリジナルで企画を立ててきました」「いろんな方にやっていただいたことをまとめていく役職ではありましたが、アニメーター出身なので、キャラの同一性が維持されていないと作品に没入できない。なので作画に関するディレクションはわりと行っていたと思います」と振り返った。

監督・脚本担当の山下清悟

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今作でCG背景が多く使われたことについて、山下は「(劇中ゲームである)KASSENのシーンはかなり広域のステージが必要でした。アクション中にカメラを振りたいとなったら、作画だと作業的にもコスト的にも難しかったので、3DBG(3DCGの背景)にすれば好きなだけ動かせる。あまり観たことのない画にもなると思い採用しました」と述べる。

また「今回チャンスをいただいて、自分自身の映像的な強みをフルに出していかないと勝負にならないと思いました。僕は少年マンガ的なアクションシーンは好きですし、これまで実際にやってきたことだったので、アクションやバトルのようなものは取り入れたいと考えていました。ただアクション主体の作品が好きなわけではなくて、どちらかというとヒューマンドラマや人間関係を描いた作品が好きなんです。でも食い合わせが悪いのか、それを両立させた作品は少ないように感じていた」とも。

そして「“かぐや姫”というアイデアが出てきて話はまとまり、現代で配信者になっていたなら……と物語ができていった。劇中ではゲームをやったり、ライブをやったり。ライブシーンは引きのある要素ですし、強い企画になって、GOサインが出たんです」と経緯を伝える。また「今回はオリジナルで原作がありません。ターゲットがそこまで明確ではなくて、反応がわからない状態でスタートした。なので、どこまでいっても自分が観たいもの、表現したいキャラクター、物語にフォーカスしないといけなかった。でも今までやりたかったことだったので、苦労というよりはとても楽しみながらやりました」と笑顔で回想した。

へちまはツクヨミパートでのキャラクターデザインを担当。「キャラデザインで重視したことは?」という質問に「今回は、普段のアニメーションキャラクターデザインとは違うものだと理解してやっていました。引き算はあとからでもできるので、いったん持っているアイデアを全部テーブルに乗せることにしたんです。ライバーという性質上、個性を出さないとキャラの説得力に欠けるので、(アニメとしての)動かしやすさは最初は考えませんでした。監督にラフをいただいてからラリーを繰り返して。衣装は、実際にあるファッションを換骨奪胎して、かつオリジナリティを出すようにしました」と答えた。それを聞いた山下は「和服でかつファンタジー作品だとトンチキになってしまいがち。でもへちまさんのデザインには、インプットの量、引き出しの多さを感じました」と称賛する。

「CGが一番生きたと感じるシーンは?」と聞かれた町田は、「ツクヨミの世界に出てくるCGの魚のシーンです。本編の早い段階で魚を一気に見せて観客の気持ちをつかむんです。“ツクヨミはこういう世界観だ”と出せたことが印象に残ってます」と回答。

CG監督の町田政彌

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「超かぐや姫!」場面カット

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またMCの桃原から「ツクヨミは、仮想空間に日本文化が融合している背景が印象的でした」と振られた草間は「仮想空間が舞台なので、CGと親和性が高かったですね。アニメ美術的な要素はあえて抑えました」と述べ「うちのスタッフには建築学科や建築会社の出身者がいるんです。和風建築に関しては京都の街並みがベースになっていて、説得力のあるものができたのでは」と胸を張った。

CG背景監督の草間徹也

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「超かぐや姫!」場面カット

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学生からの質問も飛ぶ。「ヤチヨの帯デザインにメンダコが入っているのがかわいいです。衣装の一押しポイントは?」という問いには、へちまが「ヤチヨ自体、海洋生物のイメージだったのでメンダコも入れました。またヤチヨは足をきれいに見せたくて露出させたので、上半身は露出を抑えるようにしました。花魁モチーフなのでもうちょっと肩を出してもよかったのですが、今回はセクシーではいきたくなかったので」と意図を説明する。

また「本作には仮想空間が登場しますが、インスピレーションを受けた作品は?」と尋ねられると、山下は「僕の世代の人は『攻殻機動隊』や『マトリックス』なのかな。アニメの中で仮想現実が描かれることをかなり気にして観てきた世代だと思います。ほかに特定の作品で言えば『サマーウォーズ』『竜とそばかすの姫』になりますが、仮想空間はすでに一般化した作品表現ではあると思うので、今風にアップデートすることを重視しました」と答えて、「どうしてもVRを出すと“虚構と現実”という形で、“現実に帰れ”みたいな話になる。でも僕はメタバースで心を満たそうということを悪い意味に取っていなくて、みんなが同じ場所で楽しめるというかなり希望のある状況だと思ってるんです。これから先、みんなが仮想空間でコミュニケーションを取っていくんじゃないかと思いますし、ここまでVRをさらっと出した作品もあまりなかったんじゃないかなと考えています」と語った。

「超かぐや姫!」特別上映会の様子。HAL東京の学生も参加した

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オリジナルアニメ「超かぐや姫!」直前予告映像

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The Liquidity Structure Trader @TheLSTTrader

@eiga_natalie 王道・イベント好意的
監督や主要スタッフの言葉を直接聞ける貴重な機会。作品への熱量が伝わってきます。

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