東宝グループの新会員サービス「TOHO-ONE」が3月にスタートする。サービス紹介をするメディアラウンドテーブルが本日12月2日に東京・東宝日比谷ビルで行われ、東宝専務執行役員の大田圭二、TOHO Digital Lab.所長兼デジタルビジネス推進室長の平松義斗が出席した。
東宝グループが持つ顧客IDを統合した「TOHO-ONE」は映画鑑賞に加え、演劇、アニメ、出版にまつわるサービスを横断しポイントをためて使える会員サービス。これまではシネマイレージ会員、東宝ナビザーブ会員、TOHO entertainment ONLINE会員、日比谷シャンテ会員などに分かれていたが、「TOHO-ONE」スタートにより、それぞれの会員アカウントが1つのIDに集約されることになる。
アプリやWebで展開される「TOHO-ONE」は、IP軸でのシームレスな体験を売りにする。これまではIPや原作が同じであっても映画・演劇・物販とカテゴリーごとにサイトや検索導線が分かれていたが、今回一元化されることで、複数カテゴリーへの検索アクセスがスムーズに。また東宝独自の会員制度にとどまらず、すべてのステークホルダーに活用されるプラットフォームとして展開していく予定だ。具体的な施策はまだ発表されていないが、ぴあや配給会社とのタッグも想定されている。
「TOHO-ONE」のプランは、プレミアムプラン(年会費税込3000円)、スタンダードプラン(年会費税込500円)、ライトプラン(無料)の3種。たまったポイントは同グループの映画館、アニメ配信、出版物・物販などのサービスにて1pt=1円の換算で利用できる。プレミアムとスタンダードは共通ポイント付与率が2%、ライトは1%となる。
ポイントはリワード(交換特典)に交換することもできる。リワード利用はプレミアムとスタンダードのみ可能。プレミアムには映画にまつわる特典に加え、演劇公演の先行抽選や貸切公演への申込、ECでの先行予約・販売に関する特典が付く。ローンチ時のリワードには、TOHOシネマズで使用できる映画鑑賞券・座席アップグレード、TOHO entertainment ONLINEで手に入るアニメやゴジラのグッズ、そのほか東宝スタジオツアーなどがある。
シネマイレージの後継モデルとなるのはスタンダードプラン。映画鑑賞のたびにポイントが付与され、6回相当で映画鑑賞券と交換することができる。
大田はローンチ経緯について「世の中的にID統合の流れがあったこともありますし、お客さんが劇場にいない時間のエンゲージメントやデータを獲得・活用できていなかったことも課題でした。例えば『SPY×FAMILY』のように1つのIPからアニメ・映画・演劇・グッズと多様なエンタテインメントを提供していても、映画のTOHOシネマズ、演劇の劇場、ECのTOHO theater STOREでは会員サービスがバラバラ。お客さんのコミュニケーションが分断されていました。今後は映画・演劇での余韻のあと、日比谷シャンテで食事で楽しんでいただければ」と述べる。
「今後、ファンマーケティングや海外顧客も視野に入れているか?」という質問に、太田は「ファンダムの形成は第2段階としてやっていきたい。映画・演劇・アニメ軸で分けるのかどうかも研究中です」と答えて「海外顧客に関しては、ゲームがわかりやすい一例になると思います。例えば『TOHO-ONE』を通してアニメのゲーム、ゴジラのゲームを楽しんでいただくと、アプリ内のECストアで特典をゲットできたり。海外の人が日本に来てポイントをそのまま使うことはないと思うので、海外でも特典をいかに享受できるかを考えます」と続けた。また「TOHO animationが海外展開するにあたって、主体的にライセンシーと交渉をしていき、最終的にはマスターライセンシー(複数の商品などを包括的な権利を許諾された企業)を目指していきます。ライセンシーから顧客情報が上がってきた場合に『TOHO-ONE』を活用するとこういうメリットがあると提案できるようにしたい」とも語った。
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千野 @ponr__06
東宝系のサービスが変わって、ナビザとTOHOシネマズとシャンテ会員とが全部統合される上に有料会員プランも誕生するらしいんですが…?? https://t.co/JsvlTTPOMG