東京国際映画祭にアジアの学生コンペ新設、池田エライザと池松壮亮の参加企画も明らかに

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東京国際映画祭がアジアの学生映画を対象としたコンペティション部門を新設。「アジア学生映画コンファレンス」が今年の第38回から行われる。あわせて池田エライザがエシカル・フィルム賞の審査委員長を務めること、池松壮亮が参加する「TIFFティーンズ・シネクラブ」の初開催も発表された。

第38回東京国際映画祭でエシカル・フィルム賞の審査委員長を務める池田エライザ

第38回東京国際映画祭でエシカル・フィルム賞の審査委員長を務める池田エライザ [拡大]

東京都の支援を受けたアジア学生映画コンファレンスでは、アジア各国の映画学校が推薦する60分未満の作品を選出。従来の“学生映画”のイメージを刷新するような実写・アニメーション作品が厳選され、出品校には台湾藝術大学、日本大学芸術学部、上海電影学院、韓国映画アカデミー、北京電影学院、東京藝術大学などが並んだ。今年上映される全15作品は下記の通り。

「ボウル ミーツ ガール」場面写真 ©Shunta Seki, Nihon University

「ボウル ミーツ ガール」場面写真 ©Shunta Seki, Nihon University [拡大]

2023年に設立されたエシカル・フィルム賞は、映画を通して環境、貧困、差別といった社会課題への意識や多様性への理解を広げることを目的としたもの。同映画祭にエントリーされたすべての新作の中から、理念に一致する3作品がノミネートされ、審査委員会により1作品が選ばれる。池田が審査委員長を務めるほか、映画祭の学生応援団から選抜された3名が審査委員を務める。

池田は「一本の映画が生まれるまでには、幾千もの判断が積み重ねられています。その一つ一つに作り手の魂や祈りが込められているからこそ、液晶を超えて人々の心に訴えかける作品となるのだと思います」「この賞はただの評価ではなく、未来への祈りであり、宣言です。審査委員長として、その祈りを受けとめ、全身で作品と向き合いたいと思います」と意気込みを語っている。

初開催の「TIFFティーンズ・シネクラブ」でシネクラブ部員に迎えられる池松壮亮

初開催の「TIFFティーンズ・シネクラブ」でシネクラブ部員に迎えられる池松壮亮 [拡大]

新企画のTIFFティーンズ・シネクラブは、TIFFティーンズ映画教室に参加した中学生がユース部門の作品を鑑賞し、自由に意見を交わす“シネクラブ活動”を行うもの。今回は池松を部員に迎え、中学生の5名に映画を“作る”と“観る”の両面から深く体験する機会を提供する。会期中の11月2日に鑑賞ワークショップを開催(見学は不可)。11月3日にはワークショップで制作された映画の上映後トークイベントに池松が登壇する。

池松は「子供たちに混ざり、シネクラブの一員として忘れられない映画体験となるような、そんな時間を過ごしてみたいと思っています。ここで出会った仲間と一緒に真剣に映画を見つめることが、子供たちの未来に幸せな体験として残ることを願って、東京国際映画祭と共に映画の未来を覗いてみたいと思っています」とコメントしている。

このほか、今年3年目を迎える「TIFF 映画教育国際シンポジウム」では、日本各地で映画教育を実践している人々とともに、ネットワーク作りと担い手の育成という2つの視点から現状の課題について考える。また唯一の弾き語り弁士として活躍する山崎バニラの人気企画「山崎バニラの活弁小絵巻 2025」の開催も決定。チャーリー・チャップリンの喜劇をはじめ、大人も子供も楽しめる短編作品がラインナップされた。詳細は後日映画祭の公式サイトで発表される。

第38回東京国際映画祭は、10月27日から11月5日にかけて東京の日比谷・有楽町・丸の内・銀座エリアで開催。

「第38回東京国際映画祭」開催概要

開催日時・場所

2025年10月27日(月)~11月5日(水)東京都 日比谷・有楽町・丸の内・銀座エリア

「TIFFCOM2025」開催概要

開催日時

2025年10月29日(水)~10月31日(金)

アジア学生映画コンファレンス 選出作品

  • 「レディ!サーブ!スマッシュ!」監督:ワン・ハオタイ(台湾藝術大学)
  • 「ボウル ミーツ ガール」監督:関駿太(日本大学芸術学部)
  • 「ワーニャの困惑」監督:ホウ・ジューユエン(上海電影学院)
  • 「金曜礼拝」監督:リウ・チンリン、イェ・ハンリン(中国伝媒大学)
  • 「フローティング」監督:イ・ジユン(韓国映画アカデミー)
  • 「エンジン再始動」監督:チョン・ヘイン(韓国映画アカデミー)
  • 「金管五重奏の為の喇叭吹きの憂鬱」監督:古谷大地(日本大学芸術学部)
  • 「国旗掲揚式前の12の瞬間」監督:チュー・ジージョン(北京電影学院)
  • 「永遠とその1日」監督:チェン・リーシュエン(台湾藝術大学)
  • 「バックパイク」監督:キム・ウンソ(韓国映画アカデミー)
  • 「サイド」監督:遠藤有紗(東京造形大学)
  • 「August in Blue」監督:エハラ・ヘンリー(東京藝術大学)
  • 「インジェスチョン」監督:ハン・ヒョンジ(韓国映画アカデミー)
  • 「円卓のジレンマ」監督:シャオ・ハンジー(北京電影学院)
  • 「ブンタン」監督:グエン・ティ・ミン・クエ(ハノイ演劇映画アカデミー)

池田エライザ コメント

私は信じています。映画は世界を変えることができると。一本の映画が生まれるまでには、幾千もの判断が積み重ねられています。その一つ一つに作り手の魂や祈りが込められているからこそ、液晶を超えて人々の心に訴えかける作品となるのだと思います。そして“エシカル”という視点は、その力をより確かなものにする。この賞はただの評価ではなく、未来への祈りであり、宣言です。審査委員長として、その祈りを受けとめ、全身で作品と向き合いたいと思います。

池松壮亮 コメント

この度、TIFFティーンズ映画教室2025にて、光栄かつ、とても素敵な機会をいただきました。子供たちと出会い、映画と出会い、映画の内なる声に耳を傾け、互いを尊重し、頭をかかえ、互いの意見を聞き、そこから生まれる感情に耳を澄ませてみる。
子供たちに混ざり、シネクラブの一員として忘れられない映画体験となるような、そんな時間を過ごしてみたいと思っています。
ここで出会った仲間と一緒に真剣に映画を見つめることが、子供たちの未来に幸せな体験として残ることを願って、東京国際映画祭と共に映画の未来を覗いてみたいと思っています。

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