同作の主人公は、北京で師匠のハンからカンフーの指導を受けていたが、兄を亡くして戦うことを封印した高校生リー。母親とニューヨークに移住した彼が、格闘トーナメントを制する絶対王者コナーの恨みを買ったことをきっかけに、空手の達人ダニエルから戦い方や哲学を学び、“真のファイター”として格闘大会に挑む様子が描かれる。主人公リーをベン・ウォン、ダニエルをラルフ・マッチオが演じ、ジャッキー・チェンは2010年のリメイク版と同様にカンフーの師匠ミスター・ハンに扮した。
ジャッキー・チェンは、日本のファンに「久しぶりね!」と日本語で呼びかけ、「全員、古い友達ですね。みんな僕の映画を観て大人になったんでしょう」と茶目っ気たっぷりに約1年ぶりの来日を喜ぶ。公開初日の昨日8月29日から2日間、日本での計11回の舞台挨拶に登壇した彼は「とても忙しい(笑)。今月中旬からスイス、イタリア、ロンドン、北京、マカオ、広州、香港、セルビア、カザフスタン……自分がどこにいたのかさっぱりわかりませんが、とにかく今日ここにいるのが一番うれしいです」と語り、会場には拍手が巻き起こった。
同シリーズの思い出を問われたジャッキー・チェンは、第1作「ベスト・キッド」の公開時を振り返り「なぜ僕にオファーが来なかったのかと思った」と吐露。その後、ウィル・スミスから電話でリメイク版の制作を持ちかけられたことについては「僕にとってはいいニュースじゃなかった。『僕はもうキッズじゃない』と話したら、(スミスから)『キッズはあなたじゃなくて僕の息子。マスターの役で出てほしい』と言われ、そのとき『自分も大人になったんだな』と思いました」と当時の心境を述懐した。
本作の主人公を演じたベン・ウォンは、オーディションを勝ち抜き主演に抜擢された。撮影までの4カ月間、ジャッキー・チェンのスタントチームを派遣してアクションの特訓をしたという。ジャッキー・チェンは「4カ月間ノンストップです。その過程には痛みがあって、つらいこともあって、けがもするかもしれません。でも『大勢の中から選ばれたのだからしっかりやりなさい。君が40歳、あるいは50歳になったとき、自分が24歳のときにした努力に感謝すると思います』と伝えました。僕自身も、いつも自分の20歳の頃の努力に感謝しています」と述べた。
ジャッキー・チェンが映画を監督する際に意識していることについても語られた。彼は「監督として映画を作るときは、細心の注意を払っています。アクションはあるけど残虐なシーンはない。コメディはあるけど下ネタはない。つまり全世界の子供たちが観ても大丈夫な作品を作りたいんです」とこだわりを明かす。また「映画人としては社会に対する責任がある。いじめや、正義ではないことを映画の中で描くこともありますが、僕の作品の中には常に愛、平和、団結、環境保護があります」と説明した。
イベントでは、ジャッキー・チェンが「Tokyo Saturday Night」の一節を歌う場面や、抽選で当たった観客1人と2ショット写真を撮るファンサービスも。さらに、1980年の「バトルクリーク・ブロー」公開時に日比谷で“手形イベント”を行ったことと、東京・日比谷のザ・スター・ギャラリーに平成時代の手形が飾られていることから、新たに“カンフー手形”の型を取る企画も実施された。粘土板を構える助っ人として、客席最前列に座っていた
最後にジャッキー・チェンは「私が映画作りにエネルギーを注いでこれたのは、皆さんからそのエネルギーを与えられてきたから。この場を借りて、全世界のジャッキーファンに感謝したいです」と述べ、「(本作を)応援してください。僕がんばります。ありがとうございました」と日本語の挨拶で締めくくった。
「ベスト・キッド:レジェンズ」は全国で公開中。
椿原 敦一郎 @teamokuyama
【イベントレポート】ジャッキー・チェン「ベスト・キッド」で11回の舞台挨拶、日本語で「僕がんばります」 https://t.co/ijLtidX6bp