人間国宝である94歳の狂言師・
去る7月24日には完成披露試写会が万作の母校でもある東京・早稲田大学 大隈記念講堂で開催され、上映後の舞台挨拶には万作と萬斎のほか、孫の
静かに熱いものが流れていく82分
観客からは「“狂言”をテーマにしていながらも、エンタテインメントとして広く楽しめるものになっていた」「静かに熱いものが流れていく82分だと感じます」という意見が。また、狂言「川上」の物語について「人間の愚かさと移ろいやすさ、そして夫婦の情を描く感慨深い作品、この世界を映像に残していただけたことに感謝しかありません」との感想も。さらには、「普段の舞台では見えない奥域や表情の変化が感じられ、臨場感を生んでいました。そして記録として残すことにより、口伝では伝えきれない想いや姿勢を次世代に受け継ぐことが出来ていると思います」などの声が届いた。
芸事への向き合い方と、まっすぐな視線。すべてが完璧
犬童がこだわった映画的な表現に「能楽堂での、観客からは普段見ることのできないアングルが貴重です」「白黒で映し出される日常とカラーの映像のコントラスト、神様目線で映された上からの映像など監督や野村親子のこだわりがヒシヒシと伝わってきました」と魅了された人も多い。万作の姿には「真摯な芸事への向き合い方と、真っ直ぐな視線、しゃんとした後ろ姿やシルエット。全てが完璧でした」「歩みや間合い、目線の動き……言葉を発していなくとも、その全てが万作さんが生み出している芸術なんだと、その美しさに感動」と熱いメッセージが寄せられたほか、万作が高みを目指す姿勢を踏まえ「これは『終わり』を描いた映画ではありません。最後に何か言葉をつけるとすればそれは『続く』だと思います」と語るものもあった。
「川上」での現代語訳字幕表示を絶賛、初めて狂言に触れる人が観ても受け入れられる
映画の後半に収録された、万作が到達した芸の境地を堪能できる演目「川上」に関して、「こんなにも夫婦の愛情や絆を表現した演目だったんだなと改めて気付かされました」「舞台でその役を演じるのではなく、まさにその役として舞台の上で今のこの同じ時間を“生きている”のだと感じました」と観客は絶賛。また、現代語訳された字幕が表示される演出について「めちゃくちゃ分かりやすい…! おかげで役者さんの演技に集中できたし、川上という演目も学べました」と評価する意見があり、「初めて狂言をご覧になる方が観ても、すんなりと受け入れることが出来る作品になっている」という言葉も到着した。
映画「六つの顔」は東京・シネスイッチ銀座、テアトル新宿、YEBISU GARDEN CINEMAほか全国で8月22日より順次公開される。
<PR>映画「六つの顔」
映画「六つの顔」本予告
野村万作のほかの記事
野村万作の映画作品
リンク
向 由佳 | フルート奏者(準備中) @yuka_mukou
静かに熱いものが流れる82分、人間国宝・野村万作の映画「六つの顔」試写会の感想まとめ[PR] https://t.co/C6V90JR4l9