北方謙三による歴史大河小説「水滸伝」をもとにした本作は、12世紀初頭・北宋末期の中国を舞台に、理不尽な時代を変えようとする“はみ出し者たち”を描いた叛逆の物語。主人公は、正義を信じ、信頼で人を動かす稀代のリーダー・宋江(そうこう)だ。表向きは戸籍係として働く下級役人である彼が、腐敗した世を憂い「替天行道(たいてんぎょうどう)」という世直しの書を記したことから、運命が動き出す。
ビジュアルにデザインされたのは、織田演じる宋江が筆を執り「替天行道」を書き記すシーン。「天に代わって正義を行う」という意味を持ち、理不尽な世に追い詰められた者たちにとって、希望の光となるものだ。劇中では、この書に心震えた漢たち108人が“梁山泊(りょうざんぱく)”に集い、国家という巨大な敵に挑んでいく。
織田は「これまで40年近く役者をやってきたが、このスケールでの撮影は無かった。どれだけ力を入れているのか、毎度毎度、山奥に建てられる撮影隊のテントや車輌、スタッフの多さに驚かされる」と述べ、「こんなに時間と労力をかけた作品がどんな物になるのか、楽しみでしかない」と期待を込めた。
また北方は「織田さんが宋江を演じる。あれだけの役者が衣装を纏い、言葉を発するのだ。だが、それを超えたところに“芝居”はあると思う。会話をした。かなり入れ込んでいた。燃えていた。どんな宋江が見られるのか、楽しみだ」とつづっている。2人のコメント全文は後述の通り。
なお本作では
ドラマ「北方謙三 水滸伝」
WOWOW 2026年放送・配信
織田裕二 コメント
昨年12月から撮影を開始した。
凍てつく寒さ…
洞窟、
過酷な環境下での長時間に渡る撮影の中、あるシーンで突然空から降ってきた様にアイデアが湧いた。実はこのシーンをどう演じれば良いのか、直前まで考えあぐねていた。この昼も夜も分からない寒ーい洞窟での撮影は一生忘れることはないだろう。
雪山、また別の洞窟、山、川、湖と…
一体、何十県行っただろう。
車、新幹線、飛行機に乗り南へ北へ。
この作品は半年が経過してもまだ終わらない(笑)
8か月かかる予定だという。
これまで40年近く役者をやってきたが、このスケールでの撮影は無かった。
どれだけ力を入れているのか、
毎度毎度、山奥に建てられる撮影隊のテントや車輌、スタッフの多さに驚かされる。
メイク、結髪、衣装を身につけるまでにかなりの時間と労力を使い、そこから撮影現場に辿り着くまでまた時間を要する。
そして主演である私ですら、この作品の一部でしかない。
何故なら私が出演していないシーンが多数あり、そこでほかの役者たちがどう演技しているのかわからない。
全ての撮影が終わり、編集され、放送までにどんな作品になるのか、いまは想像出来ない。
こんなに時間と労力をかけた作品がどんな物になるのか、楽しみでしかない。
私が宋江という人物を演じるにあたり、最も気をつけているのは、
彼は何処にでもいる普通の人だということ。
晁蓋の様な漢らしいリーダーシップを持つ訳では無く、林冲や楊志の様な武の才も無く、呉用の様な作戦軍師でも無い。
精神的に強いわけでも無い。
悩んだり、弱味を曝け出したり…
人に寄り添う
宋江という男は、ただ人に寄り添う
今はこれだけをキーワードに戦い、演じております。
北方謙三 コメント
織田さんが宋江を演じる。
あれだけの役者が衣装を纏い、言葉を発するのだ。だが、それを超えたところに“芝居”はあると思う。会話をした。かなり入れ込んでいた。燃えていた。どんな宋江が見られるのか、楽しみだ。
ドラマ制作陣は、むさ苦しいほど熱い。だが、あれだけの長編を作るには、それくらいの熱がなければできないだろう。俳優の演技力や存在感、監督や脚本の表現力、衣装・小道具を含めた創造力が、どう支えるか。
これは、作家と映像制作者の“勝負”。私は今、無邪気に、圧倒される瞬間を待っている。
てれびのスキマ/戸部田 誠 @u5u
織田裕二の主演ドラマ「北方謙三 水滸伝」ビジュアル公開、2026年に放送・配信決定 - 映画ナタリー https://t.co/epHQwbEmpV
“若松節朗、村谷嘉則、佐藤さやかが監督を担当。藤沢文翁が脚本を手がけた”