「冬へのパッサカリア」は、3作からなる連作短編集。冬へと向かう北の大地で誰かの記憶をめぐる3つのストーリーが紡がれる。第1話「無口なピアノ」には
本作の撮影がスタートしたのは、世界中がコロナ禍で混乱に陥り、さまざまなプロジェクトが延期や中止の憂き目に遭った2020年。坪川による「文化の灯を消すまい」という呼びかけに賛同したスタッフとキャストが集まり、同年から2025年にかけて断続的に北海道各地で撮影された。
本作の公開にあわせて、坪川の全監督作6本も一挙上映。彼の長編1作目「
坪川は「世界中がコロナ禍の渦中にあった時期、北海道の室蘭にて『無口なピアノ』を撮影しました」「作っても世に出せるのか、全く見出せない状況だったが、作らずにはいられなかった」と回想。そして2022年5月を振り返り「坂本長利さんが北海道へいらっしゃった。坂本さんも、ご自身のライフワークである独演劇『土佐源氏』の公演中止が続いており、意気消沈していた。iPhoneで撮影したことを伝えると『僕とも撮ってよ!』と、そのまま一緒に日高地方をロケハン。その年の10月、『昨日の煙』を撮影。しかし、完成を見届けて間もなくの2024年3月、坂本長利さんが急逝。坂本さんの遺作となってしまった『昨日の煙』をお別れ会で上映したところ、何人もの関係者さんから劇場公開へ向けての背中を押して頂いた」と語る。そして「コロナ禍に翻弄される中、映画制作と劇場公開に向けて伴走してくださった方たちと、何よりも坂本長利さんへの最大限の感謝を込めつつ。劇場のスクリーンで皆様に観て頂けますことを心から願っております」と伝えた。コメント全文は後掲している。
なお「冬へのパッサカリア」の配給はTSUBOFILMが担当する。
坪川拓史 コメント
「冬へのパッサカリア」公開に寄せて
2020年12月。世界中がコロナ禍の渦中にあった時期、北海道の室蘭にて「無口なピアノ」を撮影しました。不用不急の外出が制限され、多くの文化活動も自粛。各地の映画館も臨時閉館され、僕の映画「モルエラニの霧の中」も、岩波ホールでの公開が一年延期になった。
映画の灯が消えてしまう気持ちがして、俳優の草野康太、片岡正二郎両氏と共にロケを敢行。スタッフを最小限に抑えるためiPhoneで、初めて僕自身で撮影も兼ねた。作っても世に出せるのか、全く見出せない状況だったが、作らずにはいられなかった。
2022年5月、僕の「ハーメルン」と「モルエラニの霧の中」に出演してくれた坂本長利さんが北海道へいらっしゃった。
坂本さんも、ご自身のライフワークである独演劇「土佐源氏」の公演中止が続いており、意気消沈していた。
iPhoneで撮影したことを伝えると「僕とも撮ってよ!」と、そのまま一緒に日高地方をロケハン。その年の10月、「昨日の煙」を撮影。
しかし、完成を見届けて間もなくの2024年3月、坂本長利さんが急逝。坂本さんの遺作となってしまった「昨日の煙」を
お別れ会で上映したところ、何人もの関係者さんから劇場公開へ向けての背中を押して頂いた。
長編映画の尺にするため、2025年2月に小野武彦さん、大塚寧々さんらと共に「記憶と水音」を撮影。
ようやく今回の劇場公開が叶った。
コロナ禍に翻弄される中、映画制作と劇場公開に向けて伴走してくださった方たちと、何よりも坂本長利さんへの最大限の感謝を込めつつ。
劇場のスクリーンで皆様に観て頂けますことを心から願っております。
俵屋年彦 循環をすすめる会 @tawarayat
坪川拓史の新作「冬へのパッサカリア」公開、西島秀俊や大杉漣ら出演の過去作も一挙上映(コメントあり / 写真25枚) https://t.co/jQUSrNcHKI