木村ナイマが監督を務めた「
木村が学生時代にガールズバーで働いた経験から着想を得た本作は、デビュー作である短編映画「
舞台は東京の新宿・歌舞伎町。さまざまな背景を持つ少女たちが働くガールズバーで出会った“なる”と“マリア”が、若さを売り、求められる姿を演じ続け、次第に自分が本当に望むことがわからなくなっていく姿が描かれる。なるを龍村仁美、マリアを河野聖香が演じたほか、
木村は「私だけじゃここまで来れなかった、映画を作る過程で何度も死んだけど、何度も何度も救われました。そんなふうに作ったこの映画が、より多くの女の子や、同じ気持ちを抱えたことのある人たちに届いて、繋がれたらいいなって、思います」とつづっている。キャストの龍村、河野のコメントは以下の通り。
なお5月30日20時40分の回上映後には、木村と
木村ナイマ コメント
はじめまして。
「天使たち」監督・脚本の木村ナイマです。
この度、本作品をテアトル新宿・梅田にて合計5日間上映していただけることになりました。
新宿で生まれた映画を、新宿で上映できることの喜びを噛み締めながら今日まで準備してきました。
この作品は私にとって2本目の映画で、初めての長編作品になります。
上京して、大学2年生の時に始めたガールズバーのバイトで見た世界観を映画で残したいと思ったのがこの作品の始まりでした。
まだ何もなかった19の自分は本当に無力でした。
コンプレックスでがんじがらめの自分、自分なんて結局のところ性と若さにしか価値がないから、望むものを手にいれるためには魂を差し出すしかない、性を換金することが唯一の方法である、と本気で思っていました。
誰かに愛されることを求めて自分を押し殺して生きていくうちに、求められる形にはまろうとするうちに、自分がわからなくなりました。
そして、この東京の夜にはそんな女の子、男の子たちがシャンパンの泡のように生まれては消えている。
インターネットに情報が溢れ、女の子たちの間では整形と不幸が流行して、このままではだめだってみんなどこかではわかっているけど、無力感に苛まれている。
私は、その子たちとリンクしたくて、いつか絶対にこの感情を作品にすると決めました。
私は運が良く、大学に行って学ぶことができ、言葉とカメラを手にしました。
そして、何よりも幸運なことに、同い年の荒尾Pをはじめとする同じ意志を持つ仲間たちに出会うことができました。
私だけじゃここまで来れなかった、映画を作る過程で何度も死んだけど、何度も何度も救われました。
そんなふうに作ったこの映画が、より多くの女の子や、同じ気持ちを抱えたことのある人たちに届いて、繋がれたらいいなって、思います。
もう大丈夫だよ。
是非映画館で、この瞬間を目撃してほしいです。
龍村仁美 コメント
本当は一人で生きていくことなんて出来ない。どうしようもなく孤独でも、息をするのも辛くても、少しでも明日の光が美しく見える瞬間を探している。
初めて完成した「天使たち」を観た時、そうやって自分の劣等感も傷も、死にたさも、まるごと抱きしめられている。そんな気がしました。
どうしたって、あなたを一人にしたくないと思いました。
映画が終わった後、私もそこにいます。
少しでもあなたの傷を、一緒に癒せたら嬉しいです。
河野聖香 コメント
私は、絶望の中で育った者の救いへの執着を知っている。自分の愚かさを自分ではどうにも出来ない幼さを知っている。本当に救いが必要な人は、人が救いたいと思うような形態をしていないことも知っている。
きっと誰もが天使と呼ぶに相応しい純粋さを持って生まれて来たのだと思う。だが自分の背丈や年齢よりも大きな何かが、いとも簡単に翼をもいでいく。どこまでいっても自責はつきまとう。「天使たち」は、その惨めさから解放してくれる。そんな映画だと思う。
映画「天使たち」予告編
今田竜人の映画作品
リンク
おおとも ひさし @tekuriha
夜の街に生きる少女たちを描く「天使たち」公開、監督の実体験にもとづく物語
"なるを龍村仁美、マリアを河野聖香が演じたほか、今田竜人、本田カズ、石井里乃、椎名美羽、芦原健介、目黒貴之、もともとこらが出演した。 https://t.co/rwHheJxF3T