映画「
荒木飛呂彦のマンガを原作に、特殊能力“ヘブンズ・ドアー”を備えたマンガ家・岸辺露伴が奇怪な事件に立ち向かっていくさまを描いた「岸辺露伴は動かない」シリーズ。本作では、イタリア・ヴェネツィアの教会内にある懺悔室で、岸辺露伴がある男の告白を聞くことから物語が展開していく。高橋が露伴、飯豊が担当編集者の泉京香を演じた。
高橋は「(渡辺)一貴さんから『岸辺露伴』シリーズの話を聞いたときは、『自分たちの好きなものを、誰の顔色もうかがわずに作ってみよう』というコンセプトでした。まさか今こうして皆さんから大きな反響をいただいているなんて、不思議なくらいです。自分の、その瞬間にあるものを全部詰め込んだ作品です」と言葉を紡ぐ。また彼は「憧れていた岸辺露伴というキャラクターを演じると知ったときは、身が引き締まる思いでした。今もその気持ちはまったく変わっていません」と伝えた。
本作で新しく挑戦したことを尋ねられた飯豊は「イタリア語です! 冒頭だけでしたけど、イタリア語のセリフがあったので事前に先生に教えていただきました。自分でも日常会話を勉強しました」と回答。イタリア語での自己紹介を披露し、会場を盛り上げた。不気味なほどの“幸運”に襲われる呪いをかけられた水尾を演じる大東は「荒木先生の作品は生命力がすごい。1コマ1コマからエネルギーが感じられるんです。(撮影では)実写だからこそ心拍数や鼓動をどう映像に残せるか意識しました。ポップコーンのシーンは試写で観ながら笑えてきて。極限の恐怖と立ち向かう滑稽さって笑えるんだなと思いました」と語る。
邦画として史上初めて全編イタリア・ヴェネツィアで撮影された本作。渡辺は「去年の4月にヴェネツィアで行ったロケハンが充実しまくっていて。どこで何をしても、イマジネーションを掻き立てられました。これは全部(ヴェネツィアで)やるしかないと思い、オールロケを決めさせてもらいました」と振り返る。
イベントでは、キャストが「撮影中、史上最大に◯◯だったこと」というお題でトークを繰り広げた。高橋は「毎回更新できていることですが『懺悔室』が史上最大に(自身が)“岸辺露伴”していました。露伴は自分の矜持を貫いていて、悪役ですら敬意を表してしまうところがすごい。自由に生きていていいなと思います」と口にする。玉城は高橋と同じく、本作から史上最大に“岸辺露伴”を感じたと言い、「(演じたマリアが)ヘブンズ・ドアーをかけられるシーンがクランクアップだったんです。なので、ヘブンズ・ドアーの(特殊美術を付けた)ままコメントをして(笑)。感極まって涙が出たのですが、周囲にバレず好都合でした」と明かした。
浮浪者・ソトバ役の戸次は、史上最大にメイクに時間がかかったという。「メイクさん2人がかりで90分かかりました。時代劇でもそんなにかかりませんからね。髪に一番時間がかかりました。地毛で土台を作って、カツラのピンを引っ掛けるんですが、けっこう痛いんです。でも痛みが気にならないくらい、この作品に出演できる喜びが大きかったです」とほほえむ。井浦は「史上最大に愛にあふれた作品だと思います。皆さんが作り重ねてきたシリーズで、純度の高い愛の結晶です。僕は荒木先生の作品を40年間楽しんできたので、自分の“好き”を掘り起こして出していく作業でした」と回想した。
最後に高橋は「宣伝活動をしているとき『露伴は変人だから好き』という声をよく聞きました。おこがましくも自分のことのようにうれしいんです。社会は整えられているものが求められる傾向があるけど、自分で作った柵の外にある憧れを見ているのではないかと思います」と切り出し、「観客の皆様は、整ってない登場人物が織りなす物語を観にきてくださった方。僕はそう感じていて、何よりも幸福なことです」と呼びかけイベントを締めた。
「岸辺露伴は動かない 懺悔室」は全国で公開中。
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【公開記念舞台挨拶レポート】高橋一生、シリーズ最新作は「史上最大に“岸辺露伴”」作品への思い明かす(写真14枚)
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