本作は2005年に下北沢の本多劇場で初演された舞台「ハオト」の映像化。初夏のある日、警察署を訪れた90歳の老人が「人を殺した」と告白し、太平洋戦争末期の特殊機密施設の話を始める。表向きは精神病院とされていたその施設には、軍部を批判し精神病扱いされた元エリート海軍兵の水越や、原子爆弾の開発間近に解離性同一性障害を患った荒俣博士がいた。そして水越の親友だった海軍将校・蓬が施設の指揮を執ることになり、物語は展開していく。
原田が水越、長谷川が蓬を演じたほか、片岡が荒俣、高島が施設で働く貝瀬婦長に扮している。このほか
監督・脚本・製作・出演を兼任した丈は「戦時中の精神病院が舞台で、塀の外と中、どちらが狂気なのか? この鋭利な刃物のようなテーマでエンターテイメントを目指した、無謀なような挑戦でしたが、生の観客の前で披露し、客席が沸き、物語に引き込まれて行くような空気に勝算を得ました」と述べている。全文は以下の通り。配給は渋谷プロダクションが担当する。
丈 コメント
戦後60周年の2005年に、この作品は演劇作品として産声をあげました。
2001年に多くの犠牲者を出した同時多発テロで、戦時中の悲惨さを知らない自分すら、人が大量に死にゆく戦時下を想起させられました。
本作は、自分の中では、「戦争」と向き合った初めての作品で、戦争に関連した膨大な書物を読み漁りました。
上演の際に「この作品を映画で観てみたい」という感想が多く、自分の中で映画化は目標となり、戦後70周年には、この演劇作品で全国ツアーを展開し、映画化への種を蒔きました。
戦時中の精神病院が舞台で、塀の外と中、どちらが狂気なのか?
この鋭利な刃物のようなテーマでエンターテイメントを目指した、無謀なような挑戦でしたが、生の観客の前で披露し、客席が沸き、物語に引き込まれて行くような空気に勝算を得ました。
「カッコーの巣の上で」というハリウッドの傑作も元々は演劇作品で、張り合うには烏滸がましいですが、20年間掛けて取り組んだこの映画「ハオト」は、胸を張れる作品だと自負しております。
原田龍二の映画作品
リンク
微笑みデブ(cvユウちゃん) @takakura1982
戦後80年・平和祈念映画「ハオト」に原田龍二や長谷川朝晴ら、戦争末期の精神病院描く(コメントあり) https://t.co/wffHqep9zo