短編映画「The Chicken」や、坂本龍一のコンサートドキュメンタリー映画「Ryuichi Sakamoto | Opus」で知られる監督・
「HAPPYEND」は、高校卒業を控える幼なじみの大親友2人が、なんとなく一緒にいた関係から少しずつ変化していくさまを通して、友情の揺れ動きや葛藤がつづられる青春映画。決して遠くはない未来を舞台に、我々の生活と地続きである世界がユーモラスかつシニカルに描かれる。
主人公のユウタとコウを演じたのは、ともにオーディションで抜擢され本作でスクリーンデビューを果たした
2017年頃から本作の構想を練り始めたという空。「恐怖を煽り、軍国主義的な独裁国家へと着実に向かってゆく日本を舞台に、それまで自分の中に蓄積されていた危機感や揺らぎ、そして自分にとってなくてはならない、地盤ともいえる友人たちに対する愛を投影しました」と作品に込めた思いを明かし、「自分が想像した近未来像が間違っているといいなと願いながら脚本を書いていましたが、出来上がった映画を見てみると、なんだかどんどん現実味を帯びてきているようで、すこし残念です。同時に、そのような状況だからこそ、素晴らしいキャストとスタッフと一緒に、色んな人にいま見てほしい映画に仕上げることができたと思っています」と素直な心境を伝えた。
空音央 コメント
友情とは曖昧なもので、恋人や家族のような規範がありません。人によっては、いつもの風景に溶け込んで、たまたま同じような音楽を好み、お酒を介して理解し合える相手もいれば、真剣な話だけをする相手もいます。しかし、どんな形であれ、友人に対する愛や信頼が深いほど、その相手に落胆した時に湧き上がる怒りや悲しみは凄まじいものです。勢い余って関係を断ち切ることもあれば、知らず知らずのうちに断ち切られることもあります。そうなると、自分が乗っかっていた地盤がガラガラと崩れ落ちるような感覚に陥ることがあります。
そんなことを考えながら、この映画を思い立ったのだろうと思います。メモを見返すと、記録として残っている中で最も古いものが2017年でした。つまり、7年かそれ以上前からこの映画の構想を練り始めたようです。その時の社会や世界が変わらず、そのまま進んだ少し先の未来を想像しました。恐怖を煽り、軍国主義的な独裁国家へと着実に向かってゆく日本を舞台に、それまで自分の中に蓄積されていた危機感や揺らぎ、そして自分にとってなくてはならない、地盤ともいえる友人たちに対する愛を投影しました。
自分が想像した近未来像が間違っているといいなと願いながら脚本を書いていましたが、出来上がった映画を見てみると、なんだかどんどん現実味を帯びてきているようで、すこし残念です。同時に、そのような状況だからこそ、素晴らしいキャストとスタッフと一緒に、色んな人にいま見てほしい映画に仕上げることができたと思っています。劇場公開できることを本当に嬉しく思います。
tonia @tonia_ysmgo
坂本龍一のコンサート映画で知られる新鋭・空音央の長編劇映画デビュー作が公開(コメントあり)
「Happyend」
10/4(金)東京・新宿ピカデリー、ヒューマントラストシネマ渋谷ほか全国公開
https://t.co/zH3fMgnOmH