亀井岳が再び全編マダガスカルで撮影した「ヴァタ~箱あるいは体~」8月公開

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亀井岳が監督・脚本・編集を担当した映画「ヴァタ~箱あるいは体~」が8月3日より東京・ユーロスペースほか全国で順次公開されることがわかった。

「ヴァタ~箱あるいは体~」ポスタービジュアル

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SKIPシティ国際Dシネマ映画祭2022で観客賞(長編部門)を受賞した本作の舞台は、亡くなった人の故郷に住む村人が、その遺骨を持ち帰らなくてはいけないとされるマダガスカル南東部。タンテリとザカ、スル、そして離れ小屋の親父の4人は出稼ぎ先で亡くなったタンテリの姉・ニリナの遺骨を取りに行くために、楽器を持って片道2、3日かかる村へ出発。その道中で行方知れずの家族を探しているルカンガ(ヴァイオリン型楽器)の名手・レマニンジに出会うのだった。劇中では、音楽によって祖先と交わるというマダガスカルの死生観が描かれていく。

監督2作目「ギターマダガスカル」の撮影時から同国の人々のことが忘れられず、監督3作目となる本作も全編マダガスカルロケ、マダガスカル人のキャストのみで製作した亀井。「この映画で映し出されるマダガスカルの人々の営みの中には、遠く離れた土地に暮らす私たちにも共通する何かがあるように感じます。時間と空間を超えた生者とラザナの世界を、ぜひ劇場のスクリーンでご覧ください」とコメントしている。

亀井岳 コメント

モンゴルで初めて伝統的な音楽であるホーミー(喉歌)を聞いた時、果てしなく続く草原と遊牧という生き方があって、この音楽が生まれたのだと強く感じました。

今はインターネットで世界中の音楽を楽しむことができますが、実際に現地を訪れると、音楽を取り巻くにおい、湿度、人々の醸し出す熱気などを肌で感じることができ、音楽の聴こえ方も違います。
音楽は、グローバルなものであると同時に、生み出された場所とは切り離すことができません。私にとって音楽とは、人間と自然の営みから生み出される結晶のようなものであると感じています。

マダガスカルでは、人は生まれ年老いて死ぬのではなく、死後もラザナ Razana(祖先)として永遠に生き続けていると考えられています。
この映画では、生者の世界とラザナの世界を描き、二つの世界の橋渡しとして、村の長老であるルナキ Lonakyという人物が登場します。さらに、時空間を超えて生者とラザナを結びつける重要な要素として音楽があり、この結びつきによる協和や調和が私が描きたい映画のテーマです。

マダガスカルでは、生活の中に息づく儀礼やしきたりなどの伝統が、人々のよりどころとして大切に受け継がれてきました。劇中で交わされる何気ない会話や仕草、そして演奏される音楽のなかに、マダガスカルで長い時間受け継がれてきた民族の記憶や世界観の一端を感じていただけたら嬉しいです。

日本から遠く離れたマダガスカルを舞台にした映画ですので、SKIPシティ国際Dシネマ映画祭で観客賞をいただけるとは全く想像していませんでした。観ていただいた方に支持をいただけたことは、とても嬉しく思っております。

この映画で映し出されるマダガスカルの人々の営みの中には、遠く離れた土地に暮らす私たちにも共通する何かがあるように感じます。時間と空間を超えた生者とラザナの世界を、ぜひ劇場のスクリーンでご覧ください。

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