映画「
北國浩二による小説「嘘」を映画化した本作は、1つの嘘をきっかけに子を守る母親の強烈な愛と嘘が描かれるヒューマンミステリー。長年確執のあった認知症の父親の介護のため田舎へ戻った千紗子は、事故で記憶を失った少年を助ける。そして少年に虐待の痕を見つけた彼女は自分が母親だと嘘をつき、少年と暮らし始めるのだった。千紗子を杏、少年を中須が演じた。
杏はオファー時を振り返り「大人になって年月を少し重ねた今だからできる役なのかなと。涙もろくなったり、子供が巻き込まれるニュースにどうしようもない怒りや悲しみを覚えるようになってきて、それを思いきり体現できる映画なのかなと感じました」と述懐。中須は共演シーンの多かった杏と奥田について「2人とも優しくて、話しやすい雰囲気を作ってもらいました」と感謝を伝える。また、関西在住のため撮影期間はロケ地近くのホテルに泊まっていたという中須は「山奥でコンビニとかスーパーがなかったので、杏さんからいろいろ差し入れしてもらって助かりました」と笑顔でエピソードを披露した。
中須に関して杏は「現場では台本を渡されず、その場で監督から説明を受けてすごくフレッシュな演技を出し続けていた。そのお芝居を受けるだけで私自身のお芝居も変わっていくという、本当に貴重な経験をさせてもらいました」と述べ、「こんなに無垢な少年が画面の中にいるんだ、と感じられると思います」と称賛する。千紗子の父・孝蔵に扮した奥田は「役柄的にあまり人と話したくないと思っていたけど、彼には声を掛けたくなってしまう。グミをもらったのをきっかけに和気あいあいとなったね。映画を観ていただいたら、すごくいい子なのが一発でわかりますよ」と力強く口にした。
千紗子の嘘を唯一知るシングルマザー・久江を演じた佐津川が、本作の登場人物に共感できるかを問われると「千紗子の行動はわかるけれど、客観的に見たときにそれは大丈夫なのか?とも感じて、みんなの気持ちが『わかる』と思いながら台本を読みました。誰が悪いとかではなく、それぞれが大切にすべきものを軸に行動する姿が描かれていたので、この作品に参加したいと思いました」と真摯に言葉を紡ぐ。少年の父親役で出演した安藤は「脚本が素晴らしかったし、主人公は自分も演じたいぐらい素敵で、杏さんはとてつもなくいい役をつかみ取ったなと思いました。衣装合わせのときに『自分が演じたいっす』って言ったぐらい」と打ち明けると、関根は「冗談の感じじゃなかったんですよ。超一流のギャグかと思ったら、本気なの!?って」と笑いながらうれしそうにしていた。
映画の見どころに話題が及び、中須が「悲しいというより、えーっと……」と言葉を詰まらせると、奥田はすかさず「この作品のラストを思うと、観る前の皆さんに対しては誰も何も言いたくないんです。言いたいことはいっぱいあるんですけどね。だから決して役者がお話が下手というわけではないので!」と説明する。奥田のフォローを受けて中須が「これは僕の“かくしごと”です」とまとめると、会場からは「おおー!」という声と拍手が湧き起こった。
母の日が近いことから、イベントの最後には中須による杏へのサプライズも行われた。「僕のお母さんになってくれてありがとう」という言葉とともに、中須からカーネーションの花束を受け取った杏は「映画(の内容)も相まって泣けてきますね」と喜びつつ、「人の倫理観は時代や国によっても違いますが、目の前にか弱い存在がいたときにあなたは何をしますか?という問いが胸に刺さる作品だと思います。あとは単純に、ミステリーとして続きが気になる作品でもあるので、最後まで楽しんでいただければ」と呼びかけた。
「かくしごと」は6月7日より東京・TOHOシネマズ 日比谷、テアトル新宿ほか全国でロードショー。
映画「かくしごと」予告編
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