第80回ヴェネツィア国際映画祭の審査員特別賞を受賞した「Green Border(英題)」が、「
「ベラルーシを経由してポーランド国境を渡れば、安全にヨーロッパに入ることができる」という情報を信じて祖国を脱出したシリア人家族の過酷な運命を描いた本作。「赤い闇 スターリンの冷たい大地で」の
ポーランド出身のホランドは、2021年に「国境に行くことができなくても、私は映画を作ることができる。政府が隠そうとしたものを、映画で明かそう」と本作の制作を決意。政府や右派勢力からの攻撃を避けるため、スケジュールや撮影場所は極秘のうちに24日間で撮影を敢行した。
当時のポーランド政権は本作を激しく非難。公開劇場に対して、上映前に「この映画は事実と異なる」という政府作成のPR動画を流すよう命じるなどの攻撃を仕掛けた。しかし、ほとんどの独立系映画館はその命令を拒否。多数の映画人もホランドの支持を表明した。そして政府からの猛批判はホランドが訴訟を示唆するまでに発展。論争が激化する中、ポーランド国内では公開されるや2週連続でトップの観客動員数を記録した。
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アグニェシュカ・ホランドの映画作品
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映画ナタリー @eiga_natalie
ヴェネツィア国際映画祭で審査員特別賞を受賞、「人間の境界」5月に公開
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