1988年に公開された「DOOR」は、セールスマンを冷たく追い返した主婦がその男に付きまとわれ、やがて恐ろしい一夜を体験するサスペンススリラー。高橋伴明の妻・
今回のリマスター版はオリジナルのスーパー16mmのネガからスキャンを行い、撮影監督・佐々木原保志の監修のもと2Kでレストアしたもの。第35回東京国際映画祭の日本映画クラシックス部門に出品された。YouTubeでは予告編が公開中。
高橋惠子 コメント
当時私は32歳で、4歳の長女と1歳の長男の母でもあった。
監督である夫はホテルに泊まり、撮影のあいだは別々に暮らした。
撮影が終わって家に帰ると、子ども達は私に駈け寄って来てはくれなかった。初めてのホラー映画で、緊張と恐怖からくるただならぬ気配を感じたからだろう。(特殊メイクはとてもリアルで本当に怖かった)
映画は時空を超える──。
「DOOR」の中の私は、今どこを捜しても現実には存在しない。68歳の月日を重ねた私が居るだけだ。だからこそ、当時まだこの世に生まれてもいなかった若い人達に是非この映画を観て欲しいと思う。
互いが被害者であり加害者であるという、切ない人間ドラマを、じっくりと味わっていただきたいと、切に願う。
高橋伴明 コメント
35年前、スプラッタームービーという言葉も、ストーカーという言葉も知らず、この映画はスタートした。我々スタッフにとって、いかに怖く、いかにリアルに、いかにも“あり得る”話に見せるかが課題であった。もちろんCGなどまだない時代であったが故に、いわゆる映画的ルールから自由になろうという発想が生まれた。その結果、大胆な特殊造型、“有り得ない”カメラワークも“有り得る”ように!と肝が据わったのだった。
果たして我々のタクラミは成功したのだろうか。完成後の信頼する映画仲間のひと言が今も重い。「早すぎたな」。どのタイミングならドンピシャだったのだろうか? それを検証できぬまま、この作品はディレクターズカンパニーの消滅と共に30年近く行方不明になってしまった。
「DOOR」が観客の皆さんにとって、歳をとっていないことを切に願う。
高橋伴明の映画作品
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