アンディ・サーキスが指輪に反応し「いとしいしと」、東京コミコンで雄叫びも上げる

「ロード・オブ・ザ・リング」シリーズのゴラムや「猿の惑星」の主人公シーザーなどのモーションアクターとして知られるアンディ・サーキスが本日11月25日、千葉・幕張メッセで開催中の「東京コミコン2022」のセレブステージに登壇した。

サーキスは入場早々、MCを務めたライターの杉山すぴ豊が着ている「ロード・オブ・ザ・リング」の指輪が描かれたTシャツに反応。杉山に近付き、指輪に魅せられたゴラムの「いとしいしと」の字幕で知られるセリフ「（My）precious」を披露して会場を沸かせた。杉山はモーションアクターの草分けとして知られるサーキスに、「ロード・オブ・ザ・リング」への出演のきっかけを質問。サーキスは「最初は声だけの出演なのかと思ったのですが、監督のピーター・ジャクソンから新しいテクノロジーを試してみないかと勧められたんだ。それがモーションキャプチャだった。そのテクノロジーの進化とともに撮影された作品だった」と振り返る。

いわゆる実写映画における通常の演技と、モーションキャプチャでの演技の違いについて聞かれると「モーションキャプチャ自体は特別なスキル。ただ、その人物やキャラクターの歴史・ルーツを心理的に、肉体的に創造していくことは同じプロセスだと考えています。モーションキャプチャには、猿やクリーチャーを演じたとしても、精神的に入り込むことを助けてくれる役割がある」と回答。役者として活動しているMCの米本学仁が「映画とドラマで演技のアプローチに違いはあるか」と尋ねた場面では、「僕にとって舞台や映画、ドラマ、ましてやモーションキャプチャの演技であってさえも、基本的に自分の内なる何かを見つけることは同じ。キャラクターと根本的につながれる何かを見つける。そうすると自分の中で何かが変わって、その人になりきることができる。昨日とは違う自分になっている。キャラクターを演じるプロセスは、その人間になること。それが俳優です。その何かを見つけてからは決して同じ人間ではいられない。なぜなら精神的に、感情的にあなた自身が変化しているから。人生や人間関係のすべてが、演じることのパーツになり得る」と答えた。

「スター・ウォーズ」ではファースト・オーダーの最高指導者スノークの声優を担うほか、ドラマ「キャシアン・アンドー」ではキノ・ロイを演じたサーキス。ほかにもDCの「THE BATMAN-ザ・バットマン-」やマーベルの「ブラックパンサー」への出演、「ヴェノム：レット・ゼア・ビー・カーネイジ」の監督としての功績もある。さまざまな人気フランチャイズに関わっていることから、それぞれの魅力を尋ねられた。サーキスは「多くの、素晴らしい物語の一部になれているのは非常に幸運なこと」と切り出しながら、マーベル作品におけるユーモアのセンスや、DC作品のキャラクターが抱える感情的な真実といった魅力に言及。バットマンの執事アルフレッド・ペニーワースを演じた「THE BATMAN-ザ・バットマン-」については、ロバート・パティンソンの名前も挙げながら「アルフレッドとブルースの間で非常に感情的なつながりを作ることができた」と話し、「スター・ウォーズ」に関しては「『キャシアン・アンドー』は地に足のついた身近な人間の物語。スノークはもっと芝居がかった、まさにスペースオペラの人物。同じユニバースでもそれぞれ光と闇を感じさせる、まったく異なるタイプの違うキャラクターを演じることができた」と話した。

「ブラックパンサー」ではヴィランのユリシーズ・クロウを演じたが、すでに劇中で死んでいるため、ファンからは「違う形でMCUに出てほしい」とリクエストが。「絶対にないとは言わない」と笑って答えながら、「神話的なシリーズなので、いつどこで物語に生み落とされるかはわからない。ユリシーズを演じるのはとても楽しかった。あのキャラクターが大好きだ」と話した。杉山が「キャシアン・アンドー」においてキノ・ロイが仲間の反乱を扇動する「One way out!（道は1つだ）」のセリフに「勇気付けられた」というファンの言葉を紹介すると、サーキスは劇中さながらの雄叫びで「One way out!」と3回発し、会場は拍手喝采。さらに自ら「皆さんにも言ってほしい」と求め、サーキスと観客が交互に「One Way Out!」を叫び、ステージは幕を閉じた。

※記事初出時、一部地名に誤りがありました。お詫びして訂正します。