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本作は不気味な洋館を舞台に、ある母親殺しの事件にまつわる物語を演じる2人の女優を軸にしたホラー。中原が洋館で芝居の稽古を始める女優・劇作家のナオミ、河野がかつてナオミから夫を略奪したミズキを演じた。ミズキは母親を殺した娘の役を演じるにつれて、事件が起きた場所はこの洋館ではないかと疑い始める。また、ミズキのマネージャー・大牟田に横井が扮した。
映画でスタイリングディレクターを務めた藤崎コウイチによるスタイリングで登壇したキャスト陣。本作で企画・エグゼクティブプロデュースも担当した河野は「1人ひとりキャラクターを立てるような素晴らしい衣装を本当に緻密に構築してくださった」と感謝を伝える。ゴシック要素を取り入れた藤崎の衣装は、映画の世界観に大きく貢献。ロケ地となった洋館も、藤崎の衣装と高橋の脚本が融合するような空間が選ばれた。
高橋とは10年ぶり5回目のタッグとなった中原は「もう20年ぐらいのお付き合い。毎回、口癖のように『意味がわからない』と言うんですね。今回は特に意味がわからない。また逸脱が過ぎるホン(台本)がきたと動揺しながら演じてましたね(笑)」と振り返る。一方で最初から素直に脚本の内容を受け止めたという横井。その理由を聞かれると、2.5次元舞台への出演が多いことに触れ「その世界では細かい道理をすっ飛ばしたうえで『そういうもの』と受け入れられる世界が広がっていて。僕は飲み込む神経がつながりっぱなしだったのかなと思います」と明かす。
河野が、高橋が別の場所で話していたという「人物の枠組みを外す」という言葉の真意を尋ねる場面も。河野が「人間が生きていく中で、1つの人格だけで生きる人は誰もいない。それをわかりやすくしたのが『ザ・ミソジニー』の本質に流れているなと思っていて」と話すと、高橋は「実はずっと前から試みていること。カメラの前で虚構を演じている人をドキュメンタリーで撮っている意識。決して1つの人格に集約していくような、きれいに説明がつく世界じゃない。ということがそのまま伝わる物語を書こうとしています」と返答。「今回は極限まで実験しようと、相当“関節を外してます”」と独自の表現で本作の制作姿勢を語った。
河野は「『リング』を超える商業映画的なホラー映画を作りましょう」と、高橋が脚本を担ったJホラーの金字塔を引き合いにして企画を売り込んだそう。高橋が「『リング』は低予算じゃないからね。商業ではすごいちゃんとした仕事をしてます」と冗談めかして話す場面も。舞台挨拶は上映後ということもあり、霊媒師や魔法陣などあらすじでは明かされていない本作の重要なモチーフについても口々に語られた。横井は「これぐらい観た人に驚きと困惑と、考え続ける時間を与えられるのは超最高です。やっぱり映画って(観客が何かを)持ち帰れてなんぼだと思います。誰かが人生をかけて『あの映画ってああだったのか……!』と言いながら亡くなる可能性もゼロじゃない(笑)。考え続けることが大事だと思います」と話した。
「ザ・ミソジニー」は新宿シネマカリテほか全国で順次ロードショー。
高橋洋の映画作品
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