「
お人好しな男・田母神尚樹が、底辺YouTuber・ゆりちゃんこと川合優里のチャンネル運営を手助けするさまを通して、人間の“欲”や“本音と建て前”を描く本作。ムロが田母神、岸井がゆりちゃんを演じた。
舞台挨拶の冒頭では、壇上に花道があるのをいいことに、ムロは演説口調で「花道があるなんて聞いていませんでした。花道がある以上、これは歩くべきだと思いました。今日は本当にお越しいただきありがとうございます」と話しながら練り歩き、観客の視線と喝采を一身に集める。「次から(の挨拶)も楽しみですね」というムロの振りに応え、岸井も花道をさっそうと歩いて「なんかいい気分かも!」と笑顔に。全員が1人ひとり花道でスポットライトを浴び、序盤から会場は熱気に包まれた。
映画の公開前にもかかわらず、SNSではムロの怪演が話題に。役へのアプローチ方法をいつもと変えたようで、ムロは「今回は“ムロシズカ”でした。いつもなら“ニギヤカツヨシ”なんですけど。受け身の役なので、ゆきのさんともあまり会話しないようにしました。今までそんな役者っぽいことしたことないのよ。でも今回は吉田監督が書いた脚本の世界にどっぷり浸かろうと思いまして」と振り返る。吉田が「みんな現場では『変わっちゃったよな、ムロ』って言ってたよ(笑)」と冗談めかすと、ムロは苦笑しつつ「軽くやっちゃうと、この脚本に書かれた人の愚かさが浅く薄くなっちゃいそうだったので。いつものムロは要らないと自分でジャッジしました」と真摯に語った。
岸井が演じたゆりちゃんは“恩をあだで返す女”という役どころ。岸井は「(内面の変化に合わせて)髪の毛や衣装も一緒に変えていったけど、もともとゆりちゃんはそういう女の子だったと思う。ただ、欲がなかったばかりに“かわいいゆりちゃん”だっただけで。ここまでいろんな表情を見せられる役ってあまりないので楽しくできました」と充実感をにじませる。また岸井いわく「主演?というくらいずっと端っこで仏のように座ってました」というムロだが、最後の数日間は元のテンションに戻っていたそう。ムロは「カメラが止まってるのに“ヤバい監督”の設定で演技を続けたりね」と明かし、岸井とともに息の合った寸劇を再現してみせた。
“暴露系YouTuber”が登場するなどタイムリーな内容だが、吉田は「2年前に撮影しているので!」と強調。「当時はもっとYouTuberが規制されておとなしくなっていくのかと思っていたら、むしろ逆で、脚本に書いたことが時代にマッチしていった」と続ける。ムロが「2年前に脚本を読んだときは、こんなことありえないと思っていました。よくこの時代を読み取れたなあ」と感心すると、吉田は「ホント怖いよ。俺が怖い!」と自身の“先見の明”に恐怖していた。
「神は見返りを求める」は、6月24日より東京・TOHOシネマズ 日比谷、シネクイントほか全国でロードショー。
※吉田恵輔の吉はつちよしが正式表記
※柳俊太郎の柳は木へんに夘が正式表記
関連する特集・インタビュー
関連記事
ムロツヨシの映画作品
リンク
Chiaki @ Dorama World ドラマワールド @doramaworld
Completion screening event of movie "Kami wa mikaeri wo motomeru" at Nissho Hall on 1 Jun 2022 - Muro Tsuyoshi, Kishii Yukino, Wakaba Ryuya, Yoshimura Kaito & Yanagi Shuntaro; showing from 24 Jun 2022
https://t.co/8mgf9Xk5Ch https://t.co/RumhUReb8f