ロシア発ドキュメンタリー「
モスクワの大学を卒業し、地方都市の学校に赴任した新米教師のエカテリーナとワシリイを追った本作。情熱を持ち、新しい教育を目指す2人の奮闘が映し出される。監督は、プーチン政権により閉鎖に追い込まれた「Radio Free Europe / Radio Liberty」でディレクターとしても活動する
2021年のベルリン国際映画祭で本作に出会ったという石橋は、「日本でも世界でも共通して起きている社会的な問題をテーマにした作品を、紹介していきたい」と考えたという。そして「『教育』は、どの時代にも大切で普遍的な議論です。学校で学ぶこと、これは何百年とかけて各国の市民が得てきた権利です。しかし知識を得ることは、社会的な差別も起こるのでは、と僕は思うのです」「コロナが全世界を襲い、今まさにまた自分たちの『価値観』が問われる中、社会の足元を見直す、他国の文化を見て自分たちを見直す、とのような問いかけをしてくれる作品です」と思いを述べている。
「ヘィ!ティーチャーズ!」は東京・ユーロスペースほか全国で順次公開。
石橋秀彦(豊岡劇場代表)コメント
コロナ禍が始まってきた2020年2月、初めてベルリン国際映画祭へ行きました。そして翌年のベルリン国際映画祭2021がオンラインになり、その際に出会ったのがこの作品です。
2020年のベルリンでは、映画祭で上映される作品のシノプシスを片っ端から読み上げ、日本と言う市場の中で、どのような作品が観客にとって観たい作品なんだろうかと、映画館の立場から考えました。その際にこだわったのは、やはり日本でも世界でも共通して起きている社会的な問題をテーマにした作品を、紹介していきたいと思ったのです。
「教育」は、どの時代にも大切で普遍的な議論です。学校で学ぶこと、これは何百年とかけて各国の市民が得てきた権利です。しかし知識を得ることは、社会的な差別も起こるのでは、と僕は思うのです。知識を得た者と得られなかった者の間には、社会の中で大きな差があり、わざわざ勉強して知識を得た者は、知識を得られなかった人々に対して冷たいものだと思います。それもそのはず、自分が努力をして知識を得たわけですから。
地方に住んでいる私は、都会と地方との間にもこれと同じ様な差を感じてしまいます。コロナが全世界を襲い、今まさにまた自分たちの「価値観」が問われる中、社会の足元を見直す、他国の文化を見て自分たちを見直す、とのような問いかけをしてくれる作品です。
ユーロスペースで上映が決まり始める今年の2月、実はウクライナのメディアエージェンシーの方と商談中でした。ウクライナでの映像制作の話をしている矢中に、ロシア軍の侵略が始まったのです。すぐさまにエージェンシーから、日本のメディアに正しい情報を届けて欲しいと、ウクライナ国会のYouTube放送局を日本のメディアに紹介した経緯があります。
そしてこの作品も、「教育」と言う観念だけではなく、政治的な意味を持つ作品となりました。なぜロシアがウクライナに侵攻したのか?普通のロシア人は何を考えているのか?この作品の配給元会社も、現在はロシアを離れ海外で活動を再開しています。
私が運営している豊岡劇場は、地方の弱小映画館です。コロナ禍により経営が厳しくなり、少しでも映画関連の収入を増やすために、副業として配給を始めた訳ですが、この作品が最後の2本の内の1本となりそうです。8月には私の元での劇場運営は終わりますが、次の世代が映画館を続けてくれる兆しがあります。是非、豊岡劇場を応援してやってください。
豊岡劇場【休館中】 @toyogeki
🗣作品紹介記事 その❸
豊劇 配給作品『ヘィ!ティーチャーズ!』
映画ナタリーさんでご紹介いただきました✨ぜひご一読を。
「ロシアの教師見つめた「ヘィ!ティーチャーズ!」公開日決定、配給担当の思いとは」
#ヘィティーチャーズ #教育
■映画ナタリー
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