イラン・フランス合作「
死刑執行数世界2位の国イランの懲罰的な法制度を背景に、シングルマザーの生きづらさ、理不尽に立ち向かう女性の姿が描かれている本作。夫であるババクを死刑で失ったシングルマザー・ミナは、その1年後に夫の無実が明かされ、理不尽な現実を受け入れられずにいたが、ある日彼女の前に夫の友人を名乗る男レザが訪ねてくる。
本編映像には、ミナとその娘であるビタのもとに、レザが現れるシーンを収録。ババクから生前に借りた金を返しに来たというレザに対し、ミナは初耳だと驚きつつも真摯に受け答えをする。ミナは2人を結び付ける秘密に気付かないまま、レザと家族のような親密な関係になっていく。
イランでは映画に検閲が入るため、本作はファジル映画祭で3回上映されたのち、劇場公開の許可が下りなかったという。モガッダムは「イラン映画の特質の1つは、社会的、人間的な問題に対して正直であることですが、検閲が存在するため、これを達成するのは容易ではありません」と製作の苦労を振り返り、「この目標を達成した映画は影響力を持つことができます。映画という窓を通して、世界の人々と孤立したイランの人々が互いを見ることができるからです」とコメントしている。
「白い牛のバラッド」は2月18日より東京・TOHOシネマズ シャンテほか全国で公開。
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冤罪サスペンス「白い牛のバラッド」本編映像、秘密を抱える男が突然の訪問
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