阪元裕吾の「ベイビーわるきゅーれ」続編出演を福士誠治が切望「なんの役でもいい」

「ある用務員」「ベイビーわるきゅーれ」の舞台挨拶が12月21日に東京・TOHOシネマズ 日比谷で行われ、監督の阪元裕吾、キャストの福士誠治、高石あかり、伊澤彩織が登壇した。

気になる映画人や映画、もっと注目されるべき作品を邦画、洋画問わずピックアップしてお届けするプロジェクト「TOHOシネマズ ピックアップ・シネマ」の第1回にピックアップされた阪元。チケットが完売となり、観客でいっぱいになった会場を見渡した彼は「この景色はさすがに引くというか、見たことがないですし、見上げるのが初めてなので……いやー、ありがとうございます。今やっと実感が湧きました」と感激した様子を見せる。

2021年がどんな1年だったか尋ねられると、阪元は「とにかく広げて届けてという年で、4年ぶりに映画を1本も撮らなかったので、宣伝の人みたいな気持ちでいたんですけど、『ある用務員』や『ベイビーわるきゅーれ』が広がっていって、お客さんがまたここに戻ってきてくれたことが何よりうれしいですね。今日は人生でも考えられない1日になりました」と述懐。そわそわする阪元に福士が「めちゃくちゃ挙動不審（笑）」とツッコみ会場を沸かせた。

“殺し屋”という裏の顔を持つ用務員・深見晃の戦いを描いたクライムサスペンス「ある用務員」で主演を務めた福士は「撮影したのが去年の6月あたりで、緊急事態宣言明けだったんですけど、世の中でいろんなことが起こりまして6日間で撮りました。とっても濃密な（約）1週間を監督と過ごさせていただきました」と回想。「今年1年は『ある用務員』イヤーで、僕も初めて主役をやらせていただいた作品なので、とても意味のある年になったかなと思います」と続ける。

社会不適合者な元女子高生・杉本ちさとと深川まひろの殺し屋コンビが社会になじもうと努力する「ベイビーわるきゅーれ」でダブル主演を果たした高石と伊澤。阪元に無茶ぶりをされたことがあったか尋ねられると、高石は「現場に行くとセリフがなくなったり付け加えられたりして、ビクビクしていました。2人でセリフ合わせをよくやっていたんですけど、現場に入ると変わるので2人で『どうしようか……変わったね……』って感じでした」と苦笑する。伊澤は「ベストオブ無茶ぶりは歌でした」と明かし「『らぐなろっく ～ベイビーわるきゅーれ～ feat. Daichi』という挿入歌を2人で歌わせてもらっているんですけど、あれも急遽決まりましたもんね。『1週間後にリハがある』と電話がかかってきたので、びっくりしてボーカルレッスンをその場で予約して翌日に行きました」と振り返った。

イベント後半にて、高石と伊澤は「重大発表があります」と前置きをしてから「せーの、『ベイビーわるきゅーれ』続編決定！」と発表。観客から温かい拍手が巻き起こる中、福士は「本当にうれしいですね！ まさか僕も出られるとは」「なんの役でもいいです。あっという間に殺してください」と阪元に出演を直訴した。

阪元は続編について「一言で言うなら楽しい映画になると思います」と笑顔で語り、高石は「今回は銃で済ませちゃうことが多かったので、こういうの（肉弾戦）をやりたいですね。練習期間をたくさん設けさせてもらって、筋肉をつけて、次はかっこいいちさとを見せられたらいいなと思います」と意気込む。続編でやりたいことをすでに阪元と話しているという伊澤は「『ベイビーわるきゅーれ』でかっこよさを見せられたので、今度はスタントの面白い部分を出していきたいなと思って、『トムとジェリー』の動画を送り付けています」と告白した。

最後に阪元は「『ある用務員』の企画を出したのが3年前で、途中でコロナもあって、大変な期間を経て『ベイビーわるきゅーれ』につながって、それがここにつながっているので、がんばればいい景色が見られるんだなと実感しています」としみじみコメント。「小さな規模での公開だったのがこういう状態になったのは、本当に皆さんのおかげです。ありがとうございました！」と観客に感謝し、大きな拍手を浴びた。

※高石あかりの高は、はしごだかが正式表記