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窪美澄の短編小説をもとにした本作は、家庭環境のせいで早く大人にならざるを得なかった高校生・国木田陽の葛藤と成長を描く物語。ドラマ「ドラゴン桜」で知られる志田が陽役で主演を務めた。脚本を受け取る前に原作を読んだという志田は「陽の強い部分も弱い部分も、すべてが本当に愛おしい女の子だなと感じて。もし私だったらその場から逃げたくなるようなことも、逃げずにちゃんと向き合う。前に進む姿が魅力的だなと思いました」と感想を明かす。
今泉は原作について「普通ならあまり描かれないような小さな衝突や気持ちに焦点を当てた作品。家族のあり方や高校生同士の恋愛と呼べるかどうかというぐらいの距離感がすごく繊細に描かれていて」とコメント。さらに「特に惹かれたのは、父親と娘の時間。そして父親の再婚によって新しい家族になる奥さんと子供と陽の距離感。そういう部分に惹かれて、この作品を映画にしたいと思いました」と続ける。陽の父親・直を演じた井浦は「小さな出来事を繰り返していく物語なので、俳優のお芝居にも繊細さが求められていたと思います。その繊細さを共演者と確かめ合いながら、やっていけた現場でもありました。父親の作り方もそういうふうにやらせてもらいました」と振り返った。
今泉が志田を起用するのは「パンとバスと2度目のハツコイ」「mellow」に続いて3回目。今泉は「何度かご一緒していたので、プロデューサーとも志田さんならできるんじゃないかという話をしていました」と述べ、志田はかつて今泉から「いつか志田さん主演で映画を撮りたいと思っているので、そのときはよろしくお願いします」と言われたことを回顧。「そこから私も“いつか今泉組で主演すること”が目標となっていたので、まさかこんなに早く実現するとは。事務所(テンカラット)の25周年記念という大切な作品で、大好きな今泉組の主演という大役をいただけて、本当にありがたい気持ちでいっぱいです」と喜びを語った。
最後に志田が「時代の流れとともに、いろんなものがどんどん便利になって、なくなってしまうものもありますけど、でも人のぬくもりや優しさだけはほかの何ものにも変えられないなと実感することが最近多くて。『かそけきサンカヨウ』を通じて、自分よがりではない、相手を思う気持ちの大切さとか、そういう当たり前のことを伝えられたらなと思っています」と述べ、イベントを締めくくった。
「かそけきサンカヨウ」は10月15日より東京・テアトル新宿ほか全国で順次ロードショー。
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