「ももいろそらを」カラー版公開、小林啓一の過去作も上映

小林啓一の監督作「ももいろそらを カラー版」が、6月18日から東京・シネクイントほか全国で順次公開される。

2011年製作の「ももいろそらを」は、高校生の日常をモノクロ映像で描いた小林のデビュー作。池田愛、小篠恵奈、藤原令子、高山翼、桃月庵白酒が出演し、第24回東京国際映画祭では日本映画・ある視点部門の作品賞を受賞した。カラー版の公開にあたり、小林は「『色褪せない今』をコンセプトにグレーディングをし直しました。十年前はモノクロで現在はカラーという少し説明しづらい不思議な感覚を、皆様に味わっていただけたら幸いです」とコメント。池田は「時を経てカラー版の映像になることでリアルさがプラスされたパワーアップバージョンとしてお楽しみいただけたら幸いです」と話した。

さらにこのカラー版の公開を記念し、小林の過去作を集めた特集上映の開催が決定した。「ももいろそらを」のオリジナル版のほか、オタクの少年少女を主人公とした2014年の「ぼんとリンちゃん」、2017年の高杉真宙主演作「逆光の頃」、2019年の桜井日奈子と間宮祥太朗の共演作「殺さない彼と死なない彼女」もスクリーンにかけられる。6月18日から7月8日にかけて、シネクイントで実施。

小林啓一 コメント

東京国際映画祭で賞をいただいてから、ちょうど十年が経ちました。
カラー版の制作は、その節目で素材を整理していた事がきっかけです。
改めてカラーで編集した素材を見直してみると、
登場人物たちが実に生き生きとしており、
被写体との距離感がぐっと縮まったように感じました。
何より、僕自身の映画への憧れがいっぱいに詰まっていました。
十年という月日が経ち、少しこなれてきた自分が叱咤されているような、
そんな気分にもなりました。
カラー版は、当時モノクロで表現し「未来からみた今」というコンセプトを外し、
「色褪せない今」をコンセプトにグレーディングをし直しました。
十年前はモノクロで現在はカラーという少し説明しづらい不思議な感覚を、
皆様に味わっていただけたら幸いです。

池田愛 コメント

約10年前の出演作なので、当時は本当に演技経験も未熟で責任感と
根拠のない自信だけで突き進んでいたありのままの姿が正に主人公と重なって、
演じると言うよりほぼ等身大の私でした。
主人公川島いづみのとある記憶としてのモノクロ映像から、
時を経てカラー版の映像になることでリアルさがプラスされた
パワーアップバージョンとしてお楽しみいただけたら幸いです。
今時の高校生だけどちょっと変わった登場人物たちそれぞれの正義感や
世間に対する思いなど、現実に一生懸命に自己流で向き合おうと頑張る
青春時代の物語です。

「ももいろそらを カラー版」公開記念・小林啓一監督 特集上映

2021年6月18日（金）～7月8日（木）東京都 シネクイント
料金：1200円均一
※「ももいろそらを カラー版」は通常料金
＜上映作品＞
「ももいろそらを カラー版」
「ももいろそらを」
「ぼんとリンちゃん」
「逆光の頃」
「殺さない彼と死なない彼女」