二項対立の間を見つめる…実験映画の上映イベント第3弾が東中野で開催

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実験映画の上映イベント「Experimental Film Culture Vol. 3」が4月29日から5月1日にかけて東京・Space & Cafe ポレポレ坐で開催される。

「Experimental Film Culture Vol. 3」チラシ表

「Experimental Film Culture Vol. 3」チラシ表

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「Experimental Film Culture」第3弾となる本イベントは、映像作家の鈴木光と東京・ポレポレ東中野の石川翔平が共同で企画したもの。鈴木が制作活動を続ける中で生まれてきた「物語映画と非物語映画」「ドキュメンタリーとフィクション」「インスタレーションと上映」「コンテンポラリーアートと映画」「実験映画とドキュメンタリー」といった二項対立の間を見つめる作品を、「エッセイフィルム」をテーマに集めた。

ラインナップにはフィリップ・ヴィトマンとカールステン・クラウゼが共同で手がけた「Szenario」や、ヴィトマンによる「ニンホアの家」、奥間勝也が監督を務めた「ギフト」「ラダック それぞれの物語」などが並んだ。チケットは1回券が1500円、3回券が3600円で、フリーパスが7000円となっており、指定のメールアドレスで予約を受け付けている。

鈴木は「今回上映する映画は、アーティスト・映画作家の日常の中から生まれてきます。日本では『エッセイ映画』という言葉はあまり使用されていないように存じますが、ドイツで映画を勉強する上でよく触れるジャンルです」と紹介した。

Experimental Film Culture Vol. 3

2021年4月29日(木・祝)~5月1日(土)東京都 Space & Cafe ポレポレ坐
料金:1回券 1500円 / 3回券 3600円 / フリーパス(限定8枚)7000円
予約用メールアドレス:experimentalfilmculture@gmail.com

2021年4月29日(木・祝)

12:20~【A-1 エッセイフィルム】
「Szenario」89分(フィリップ・ヴィトマン、カールステン・クラウゼ)

14:10~【B ビデオレタープロジェクト】80分

15:50~【C 二人の父】
「God and Father and Me」36分(鈴木光)
「father」60分+トーク(金川晋吾)

18:20~【D アルゼンチンの二人の作家】
「Noelia」15分(マリア・アルシェ)
「The Future Perfect」65分(ネレ・ヴォールアッツ)

20:00~【E 奥間勝也】
「ラダック それぞれの物語」40分(奥間勝也)
「ギフト」40分(奥間勝也)
骨を掘る男(パイロット版)」22分+トーク(奥間勝也)

2021年4月30日(金)

18:00~【A-1 エッセイフィルム】
「Szenario」89分+オンライントーク(フィリップ・ヴィトマン、カールステン・クラウゼ)

20:10~【A-2 エッセイフィルム】
「ニンホアの家」108分(フィリップ・ヴィトマン)

2021年5月1日(土)

11:30~【F「~映像と斜陽」再編 国内の美術作家による実験的な上映会の試み】
「イローナとベラ」29分(岡本大河)
「2-8-1」16分(小林耕平)
「Dig a Hole in a Hole (Homogenize) 」21分30秒(高嶋晋一、中川周)
「Echo, Post-echo」44分+トーク(鐘ヶ江歓一)

14:00~【G ジェームス・ベニング+吉田孝行】
「On Paradise Road」75分(ジェームス・ベニング)
「アルテの夏」16分+トーク(吉田孝行)

16:00~【H 加藤貴文】
「15s」60分予定+トーク

17:40~【I 池添俊+シルヴィア・シェーデルバウアー】
「Memories」15分(シルヴィア・シェーデルバウアー)
「Remote Intimacy」19分(シルヴィア・シェーデルバウアー)
「池添俊作品特集」30分程度+トーク

19:30~【A-1 エッセイフィルム】
「Szenario」89分(フィリップ・ヴィトマン、カールステン・クラウゼ)

鈴木光 コメント

エクスペリメンタルな日常。今回上映する映画は、アーティスト・映画作家の日常の中から生まれてきます。日本では「エッセイ映画」という言葉はあまり使用されていないように存じますが、ドイツで映画を勉強する上でよく触れるジャンルです。そのため、もう一つのキーワードは「方法としてのエッセイ映画」です。ドイツで言うエッセイ映画は、流れる映像に載せて話続ける人がいます。その話し手が、どんな設定でどんなトーンで話すのか、もちろん様々ですが、一歩その使い方を間違えると、そのナラティブな映画の形がズタズタに破壊されてしまう危険性をはらんでいます。その意味でこの方法は、すごく繊細で実験的な手法であると言えます。逆に言えば、少しリズムやトーンを変えるだけで全く別な質を持った映像へ変化し、言葉と映像の組み合わせが織りなすクリエイティビティーは無限大であることも教えてくれます。そういった実験的で無限大の方法をテーマとして設定することは、他作品を見るとき、何かしらの答えや別な見方を呼び起こすことができるのではないかと考え、今回、最初に上映しようと思いついた作品がフィリップ・ヴィトマンのエッセイ形式を持った映画「Szenario」でした。ここから、他の作品のプログラムを組み立てていきました。

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