スペイン・カタルーニャから女性監督の映画を発信、なら国際映画祭キュレーターが語る

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なら国際映画祭2020でカラタン・フォーカス部門のキュレーターを務めた映画監督ルイス・ミニャーロが、オンライン取材に応じた。

第68回サンセバスチャン国際映画祭の現場からオンライン取材に応じたルイス・ミニャーロ。

第68回サンセバスチャン国際映画祭の現場からオンライン取材に応じたルイス・ミニャーロ。

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9月18日に奈良市内で開幕したなら国際映画祭2020。カタラン・フォーカスでは、スペイン・カタルーニャ州出身で「2つ目の窓」「ブンミおじさんの森」などのプロデュースも手がけてきたミニャーロが、女性監督による作品6本を選出した。カタルーニャの言語や文化を世界に広めるための公的機関“インスティチュート・ラモン・リュイ”、カラタン・フィルム & TV、そしてなら国際映画祭の共催により実現した企画で、地中海の村を舞台に少女のひと夏を描く「イノセンス」、ある女性と服役を終えた父の物語「泥棒の娘 ~サラの選択~」などがラインナップされている。

「イノセンス」

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スペインの第68回サンセバスチャン国際映画祭の現場から取材に応じたミニャーロ。黒澤明や小津安二郎などの日本映画が好きだそうで、サンセバスチャンで黒沢清の新作「スパイの妻」を鑑賞したばかりだとうれしそうに明かした。今回、なら国際映画祭での上映作6本を選んだ基準について、ミニャーロは「若い女性から見た人生が描かれていること、という視点で選んだつもりです」と話す。

ミニャーロ曰く、スペインでは政府が映画業界における男女格差是正のための取り組みをしており、作品プロジェクトに関わる女性が多いほど金銭的支援を受けるのに有利になるそう。彼は続けて「5、6年前のスペインでは、全体でも女性監督が6、7人くらいしかいなかったように思います。でも政府の取り組みのおかげで、若い女性の声や勢いが広がってきました。最近では、スタッフの30%くらいを女性が占めるようになってきています。でも業界全体はまだまだ男社会という状況です」と実情を語る。特に自身のいるカタルーニャに関しては「映画学校に女性を多く入れようという働きかけがあるため、ほかの地方よりも女性監督が多いです」と話した。

「泥棒の娘 〜サラの選択〜」

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「カタルーニャ地方は独特で、日本で言う関西地方と通じるものがあると思う。特別なアクセントがあって、日常の習慣も少しほかと異なります」と述べるミニャーロ。そんな文化の発信に務める彼は「そういった文化の違いは、地球全体にとって1つの宝だと思います。食にしても、言語にしても、ダイバーシティは非常に大切です」と多様性の重要さを訴えかけた。

なら国際映画祭2020は、9月22日までの開催。

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