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「百円の恋」で日本アカデミー賞最優秀脚本賞に輝いた足立が、自身の夫婦生活をベースに描いた同名小説を自ら映画化した本作。結婚10年目にして倦怠期の真っ只中にいるセックスレスの夫婦が、香川を旅する珍道中が描かれる。濱田が売れる見込みのない年収50万円の脚本家・豪太、水川が夫に絶望している恐妻チカ、新津が娘のアキを演じた。
夫に罵詈雑言を浴びせる役どころの水川は、印象に残ったセリフに「タンツボ」を挙げた。「今まで生きてきた中で初めて口にしました」と言うと、濱田も「世代的にピンとこないので、どうリアクションしていいのかわからなかった(笑)」とコメント。しかし足立からは「かなりいい『タンツボ』だったと思います」と高い評価をもらっていた。
続いてMCから「喧嘩が多い夫婦の子供役で大変だったか」と質問されると、新津は「私のお父さんとお母さんとは全然違って……。台本だとわかってはいるんですけど、やめてくれないかなって思いました」と冗談交じりに回答。すると足立は「君のお父さん(新海誠)くらい大ヒット連発していたら喧嘩にならないよ」とふざけ、会場に笑いを起こした。
濱田は現場でのエピソードを語り、「炎天下にうどん屋へ入るシーンがあったんですが、監督は僕らの後ろに電車が通る瞬間を狙って待っていたんです。でも想像以上に短い車両で、シュッ!と通っちゃう。思ったより早いぞと」と回想。水川も「ちょっとイライラするくらい待ちましたね(笑)」と合の手を入れる。続けて濱田は「1時間くらい待ちました。そうしたら監督が『やっぱいらないかな』と。それでおい! ちょっと待てよ!となりましたね」と笑いながら愚痴をぽろり。足立は「これ以上待ったら熱中症になっちゃうなって(笑)。唯一ここは監督らしくこだわろうと思って、いらない電車を待ってしまいました」と正直に話し、会場からは笑い声が上がった。
新津は「自転車に乗るシーンがあったんですが、もともと私は乗れなくて。クランクインの数日前にそういうシーンがあることが発覚して、なんとか練習して挑みました」と回想。「乗るシーンも終えたら、自転車が大好きになりました」と話し、クランクアップ時には足立から自転車をプレゼントされたと明かして喜びの表情を見せる。
足立は最後の挨拶で、SNSでは本作の夫婦に関する賛否両論な感想を目にしたとコメント。「言いたいことを言い合えるような夫婦関係も素晴らしいんじゃないかと思います。これだけ言いたいこと言い合っても、一緒に居続けることをあえて夫婦は選んでるんだと。1つの愛の形を描いたつもりです」と笑顔で述べてイベントを締めた。
「喜劇 愛妻物語」は、新宿ピカデリーほか全国で公開中。
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Hal @papillon782
「喜劇 愛妻物語」撮影で電車を1時間待ち…足立紳のこだわりに濱田岳がツッコむ(写真13枚) https://t.co/IqnTu6d7Hq