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又吉の妄想恋愛エッセイを映画化した本作は、理想の女性に対する主人公・加藤の逡巡と葛藤をつづる“非キラキラ系”青春恋愛コメディ。渡辺が加藤、奈緒が本心のつかめないヒロイン・ミホを演じている。この日の舞台挨拶は、東京・新宿シネマカリテの観客と中継で結ばれた。
又吉は、エッセイを書くに至った経緯を「好みのタイプは?って聞かれたときに正直あんまりなくて。でも『そのとき好きな人が好きです』って言ったら、こいつおもろないなって思われるじゃないですか。なので『僕の好きな女の子』ってタイトルで真剣に考えてみました」と述懐。玉田が「エッセイなので物語があるわけではないんですが、1つひとつの言葉が粒立っていたので、それを頼りにしながら脚本を作っていきました。今までにやったことのない作業で楽しかったですね」と映像化への道のりを振り返ると、又吉は「文章になっている前の時間を玉田さんが補ってくれているんですけど、頭の中で考えている通りの流れでびっくりしました」と称賛した。
又吉の性格が反映された加藤について「ミホとのやり取りは地に足の付いたものというか、妄想のようでいて肌で感じられるものになればいいなとイメージしました」と役作りを明かした渡辺。一方、奈緒は「あまり私の主観が入りすぎるとイメージが崩れてしまう気がして、なるべくミホがどう思っているかは考えないようにしました」と語る。そんな2人を「完璧なキャスティング」と絶賛した又吉は、「渡辺さんの観てたら苦しくなる感じ。さわやかな笑顔であればあるほど『うっ……』みたいな。僕は何が起こるかわかっているのに『がんばれ!』って応援しながら観ていました。奈緒さんのミホは、本当の部分が一瞬垣間見れるときがあって。そこが素晴らしかったです」と感想を伝えた。
役との共通点を尋ねられると、渡辺は「仲いい友達といるときでもどこか演じてしまう部分はわかるなって。恋愛に関しては、僕はすぐ『好きです』と言ってしまうタイプです」と回答。奈緒は「ミホの気持ちもわかるし、(ミホのために)ケーキを買って行ったのに渡せない加藤にもすごく共感しました。“好き避け”って言うんですかね、好きだから距離を置いてしまいます」と答える。又吉は「部分的にはわかっても全面的には共感しないっていうのがいいですね……」と苦笑しつつ、自身の恋愛観について「好きな人がいても気持ちを伝えられないですし、“僕の好きな人は永遠に僕を好きにならない”という状態が好きです。変態なんですけど(笑)」とコメント。さらに「中学時代に女子が回している紙を拾ったんです。そしたら嫌いな男子に正の字が書いてあって、僕が2位になってたんですけど、わくわくしたんですよね。そういうのに別に傷付いたりはしないんですよ」とエピソードを披露し、登壇者たちの笑いを誘っていた。
「僕の好きな女の子」は新宿シネマカリテほかでロードショー。
映画ナタリー @eiga_natalie
【イベントレポート】渡辺大知と奈緒を“完璧”と称賛した又吉直樹、自身の恋愛観語る「変態なんですよ」(写真13枚)
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