スーパープレミアム「山本周五郎ドラマ さぶ」の試写会が本日11月22日に東京・NHK放送センターで行われ、キャストの
山本周五郎の小説「さぶ」をもとにした本作は、20歳の青年・栄二とさぶが、社会の理不尽に押しつぶされそうになりながらも、友情を見失うことなく生き抜くさまを描く物語。冤罪によって収容施設・人足寄場に送られる栄二を杉野、栄二の友人でお人よしな性格のさぶを森永が演じた。
杉野は「若いキャストが中心となってこの作品を作るにあたって、時代劇を若い世代に伝えていこうという気持ちがあり、とにかく僕たちも楽しみながら撮影しようと思っていました」と思いを語る。栄二の人柄については「こういう友達欲しいなと思うほど、真っ白な人。ですが、栄二の男らしさを自分がどう表現すればいいのか悩み、意識的に口調や語尾を変えました」と役作りの裏側を明かす。また、本作は現代の映像を交えて構成されていることから、杉野は「自分の通っていた高校の近くがロケ地になっていたので、学生時代に自分が眺めていた景色が、時代劇に登場することが新鮮でした」と述べた。
森永は、おっとりしたさぶのキャラクターを表現するための言葉遣いに苦労したといい、「『だぜ』という語尾があるんですが、栄二ならハマると思うんですけど、さぶというフワフワした人物にどうなじませようかと悩みました」と振り返る。また、森永は「女の人がたくさん出ているんですが、杉野さんに『さぶが一番ヒロインっぽい』と言われました」と苦笑し、隣の杉野は「夜道で奇襲をかけられて、敵を追い払ってさぶを抱えて歩くときに、『そういう話じゃないよな?』と変な感じになっちゃったんです(笑)」と話す。森永が「さぶの中には栄ちゃんが大好きっていう気持ちが強固にありますし、そう言われて、もう女房役に徹しようと思いました」と語ると、杉野は「女房感出てましたよ」と称賛した。
栄二と思いを寄せ合う女中・おすえを演じた白本は「友情の裏で、いろんな恋愛が描かれていますが、よくも悪くも生々しい恋愛。おすえのことを、汚いなと思っていたんですが、彼女のいいところでもあるなと思っていたので、どれだけポーカーフェイスを貫けるかがこの作品の課題だと思っていました」と演じるうえで気を使った点を挙げる。
記者から、共演して感じた互いの印象を問われると、杉野は「森永くんは変わっていると聞いていたんですけど、実際に会ってみてその理由がわかりました」と述べ、森永を爆笑させる。森永が中森明菜ファンであることに触れ、杉野は「自分とは違う感性の人だと思って、そこが栄二とさぶの関係性につながるのかなと思いました。新しい人種だと思います」と話し、記者たちを笑わせた。白本は「杉野さんはすごく目が茶色いので、色素が薄いんだなと気付いてから、杉野さんの顔に興味を持つようになりました」と杉野の顔の特徴を挙げていく。横で聞いていた杉野は「どういう反応すればいいの……? そっち(白本)が見られなくなってきた」と緊張した様子だった。
「暗闇から手をのばせ」の戸田幸宏が脚本と演出を担当する「山本周五郎ドラマ さぶ」は、2020年1月11日21時からBSプレミアムで放送。BS4Kでは1月18日19時から放送される。
山本周五郎ドラマ さぶ
NHK BSプレミアム 2020年1月11日(土)21:00~22:59
NHK BS4K 2020年1月18日(土)19:00~20:59
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