「サイゴン・クチュール」の衣装総数は231着!監督が京都編を構想中と明かす

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ベトナム映画「サイゴン・クチュール」のトークショーが本日11月11日に東京・笹塚ボウルで開催され、監督のグエン・ケイ、ゲストの野宮真貴デビット伊東落合賢が出席した。

「サイゴン・クチュール」トークショーの様子。左から野宮真貴、グエン・ケイ、デビット伊東。

「サイゴン・クチュール」トークショーの様子。左から野宮真貴、グエン・ケイ、デビット伊東。

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本作は、1969年のサイゴンから21世紀のホーチミンにタイムスリップした少女・ニュイの物語。ミス・サイゴンに選ばれるほどのスタイルを誇り、1960年代のニューファッションに夢中だったニュイは、伝統あるアオザイ仕立て屋を営む母と対立していた。しかし現代にやってきた彼女は、ベトナムのトップデザイナーのもとで働き始め、失敗を繰り返しながらも1960年代ライクなリバイバルファッションで頭角を現していく。

グエン・ケイ

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イベント前半ではグエン・ケイと、ベトナムで映画製作をしている落合が作品について語っていく。1960年代を舞台に選んだ理由を「一番愛しているし、サイゴンが希望に満ちていた時代だったから」と話すグエン・ケイ。最初の脚本では親子ではなく姉妹の設定にしていたと言い、「妹が姉に焼きもちを焼いてクローゼットに入ってしまい、タイムスリップするというお話でしたが、クローゼットはあまりベトナムらしくなかったのでやめました。また母親との確執を盛り込んだのは、現代社会でみんなが悩んでいることだと思ったから。ストーリーの中でそれを解決するのがいいと考えたんです」と語った。

落合賢

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劇中衣装はどのように選んだのかと聞かれると、グエン・ケイは衣装担当のグエン・トゥイとのやり取りを回想。「フランスの植民地だった象徴として花柄のタイルがあります。また、水玉は1960年代の象徴的なモチーフでした。それで彼女はその2つをアオザイに入れようと言ってくれたんです。現代的でもあるしビンテージでもあるデザインのアオザイをそろえてくれました」と明かした。落合が「映画製作にはそれぞれの国の文法があると感じていますが、美術や衣装にそれが一番よく表れると思っています。この作品の色遣いはすごく素敵でした」と褒めると、グエン・ケイは「1960年代はポップな色遣いが多かった。それにベトナムは熱帯なので、トロピカルカラーが似合うんです」と色選びのポイントを話す。それを聞いた落合は「コロニアル建築は壁が真っ白なものが多いので、赤青黄色などの原色とのコントラストが特徴的だと思ったんです」と分析していた。

高校生はアオザイを着て学校に通っていると話したグエン・ケイに対して「男性ではあまりアオザイを着ている人はいないですよね」という質問も上がる。すると「昔は男性も着ていたのですが、最近は洋服を着るようになってしまいましたね。実はこの作品のパート2をもう考えていて、なぜ男性は洋服を着るようになってしまったのかということについて描く予定なんです」と次回作について言及したグエン・ケイ。すかさず落合が「日本での撮影に興味は?」と尋ねると「パート3では京都を舞台にするつもりなんです」と答えて観客を喜ばせた。また今作では衣装として231着を用意したと明かし、「準備していたけど着ていないものもまだあったんです。スターの皆さんは着るものに厳しいので……」と裏話も。ベトナムでの制作経験を振り返った落合が「ベトナムの方はフィッティングのときに自己主張をする方が多いんです。これは自分に合わないという方がいるのはわかります」とうなずく。

野宮真貴

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デビット伊東

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後半は野宮、デビット伊東もステージへ。作品について野宮は「ピチカート・ファイヴで着ていたような衣装をたっぷり観られましたし、アオザイもたくさん映されていてすごく楽しかったです」と述べる。またベトナムでラーメン屋を経営するデビット伊東が「劇中で主人公のお母さんが言っていた『基本を大事にしろ』という言葉が本当に好きで。あのセリフはどこから来たんですか?」と聞くと、グエン・ケイは「私のおばあちゃんや母がよく言っていました」と回答した。

ファッションショーの様子。

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「サイゴン・クチュール」トークショーの様子。

「サイゴン・クチュール」トークショーの様子。[拡大]

京都編として考えているというパート3について話が及ぶと、デビット伊東が「もし野宮さんと僕に役を当てるなら?」と質問。グエン・ケイは「デビット伊東さんのための役を作りますよ! そして、野宮さんには一番いいアオザイを着て10回着替えてもらいます」と答えた。それを聞いた野宮が「衣装の早替えは得意」と笑い、「ステージで10回着替えたことがあるんです」とやる気を見せる一幕も。終盤には劇中に登場した衣装のファッションショーが行われ、ベトナム人ダンスグループの9Flowersがパフォーマンスを披露。大きな拍手が起こる中イベントは幕を閉じた。

チャン・ビュー・ロックも共同監督を務めた「サイゴン・クチュール」は、12月21日より東京のK's cinemaほか全国で順次ロードショー。

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(c)STUDIO68

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Naoya Sakagawa @sakagan

「イベント前半ではグエン・ケイと、ベトナムで映画製作をしている落合が作品について語っていく。1960年代を舞台に選んだ理由を「一番愛しているし、サイゴンが希望に満ちていた時代だったから」と話すグエン・ケイ。」
https://t.co/HQ50kgEjPv

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