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盲養護老人ホームの記録映画「そこにあるもの」公開、音声ガイドはしゅはまはるみ

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ドキュメンタリー映画「そこにあるもの」が、東京の池袋シネマ・ロサにて11月16日に公開される。

「モラトリアム」の澤佳一郎が監督した本作は、東京都青梅市にある盲養護老人ホーム「聖明園曙荘」で生活する人々に密着したもの。全編を通し“愛”がテーマとされており、先天盲、後天性失明、ロービジョン者など約100名が、朝のラジオ体操やさまざまなクラブ活動を楽しみながら暮らす様子を映し出す。11月23日、24日、25日には字幕と音声ガイド付きの上映も予定されており、その音声ガイドを「カメラを止めるな!」のしゅはまはるみが担当した。

またこのたび、映画監督の諏訪敦彦飯塚俊男が本作に寄せたコメントも到着。諏訪は「ただ『見えない』世界を生きている彼女たちの時間と、見たいものしか見ようとしない私たちの時間が、やがて溶け合って地続きの時間として映画の中に流れてゆく。ささやかだけれど、それは稀有な体験であると思う」と、飯塚は「目が見えない世界で生きている人に向き合う作者の心のあり方が素直で、共感を覚える」と語った。

「そこにあるもの」は2週間限定でモーニングショー。YouTubeでは予告編も公開中だ。

諏訪敦彦 コメント

「そこにあるもの」の映像に初めて出会ってから、長い年月が流れた。
しかし時を隔てて今再びこれらの映像を見はじめた途端、この人々の声、身のこなし、笑い方、庭の草花の佇まい、施設の廊下に流れる時間、そんな細部までもが瞬間にありありと思い出された。
まるで彼女たちがずっと私の中に棲んでいたかのような不思議な感覚。何か特別な物語が語られるわけではない。
声高な主張もないし、始まりも終わりもない。ただ「見えない」世界を生きている彼女たちの時間と、見たいものしか見ようとしない私たちの時間が、やがて溶け合って地続きの時間として映画の中に流れてゆく。
ささやかだけれど、それは稀有な体験であると思う。
そっとバラの花弁に手で触れながら花を楽しむ彼女を見つめる観客の瞳に今また彼女たちの時間が流れ始める。
そして、きっと伊藤さんや、初枝さんは、朗らかな笑い声と共にずっとそこに棲み続けるのだろう。

飯塚俊男 コメント

映画美学校において、ドキュメンタリー制作コースの募集が中止になって久しいが、この映画は、2010年そこで学んでいた人たちの卒業制作の作品である。
今見ても、映画の初心が表現されていて、すがすがしい気持ちで見終えることができた。
映画は、とりわけドキュメンタリー映画は、作り手と被写体との関係性が物語の軸になるが、目が見えない世界で生きている人に向き合う作者の心のあり方が素直で、共感を覚える。

(c)2010 reclusive factory

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