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亀だけが友達の内気な女子大生・亀田美羽、タレント一家に生まれた恋愛体質の兎草早織、復讐代行屋を父と営む戌井小柚を軸に物語が展開していく本作。本イベントでは登壇者たちが映像制作について語り合った。VFXを使った動画を投稿しているRATE先生から「ヒット作を生み出すには?」と聞かれた上田は、「中学生のときからハンディカムで自主映画を作り始めたんですけど、当時はYouTubeもないし映画祭のことも知らなくて。出しどころがなかったので作ることが最大のご褒美でした」と回想。「でも大人になってからは、映画祭の上映作に入るようにしなきゃとか、偉い人に認められるのにはこういう作風のほうがいいんじゃないかとか、色んな下心を抱えながら作っていた時期がありました。『カメ止め(カメラを止めるな!)』はそういうのを一切忘れて、自分の好きなものを作ったらヒットしたんです」と原点に戻ったことを明かした。
シンガーソングライターの財部が共同監督を務めるまでの経緯を聞くと、中泉は以前3人が参加した「4/猫-ねこぶんのよん-」の製作がきっかけだと回答。続けて上田が「今作の構想は3年ですが、最初の2年はどういう物語を作るのかで侃々諤々していました」と当時を振り返ると、財部は「3人で作品をまとめる秘訣は?」と尋ねる。「3人でやれば絶対にまとまらない部分が残るけど、それも魅力になるような映画を作ろうという覚悟がありました」と上田は述懐し、中泉は「この2人にとっては納得いってないけど僕にとってここは納得いくものだからよくて、ここは上田さんが納得してるから僕らは引くという感じ。全員がまとまって、全部に対してYESと言ってることはないです」と本作のセオリーを話した。
終盤には、映像作りのうえでターゲットを決めるかどうかについての話題も飛び出す。上田は「『カメ止め』のときもそうだったけど、日本はゾンビ映画が当たらないと言われてまして。でも、好きなことをやったら結果的に老若男女が観てくれるものになりました」と自身のやりたいテーマを貫く重要性を説く。さらに「カメラを止めるな!」を劇場で200回鑑賞したという観客の話を出して「その方は耳が聞こえない方で。あの作品はセリフや音楽に頼ってると思っていたけど、映像だけでそんなに伝わってたんだと気付かされました」と感慨深げ。最後の挨拶で浅沼は「3人の監督、3人のヒロインという“3”に導かれた映画なので、ぜひ3人以上でご覧ください!」と作品をアピールし、YouTube動画制作に興味を示していた上田は「上田チャンネルをちょっと開設できたら……」と意気込みを見せていた。
「イソップの思うツボ」は8月16日より全国ロードショー。
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