「ゴーストマスター」脚本家がトビー・フーパーに影響受け「背中を押してもらった」

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ゴーストマスター」のトークイベントが本日8月9日に東京・新宿シネマカリテで開催され、監督のヤング ポール、脚本を手がけた楠野一郎が登壇した。

「ゴーストマスター」トークイベントの様子。左から川瀬陽太、ヤング ポール、楠野一郎。

「ゴーストマスター」トークイベントの様子。左から川瀬陽太、ヤング ポール、楠野一郎。

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映画の撮影現場が舞台の本作は、“壁ドン”に悩む主演俳優のせいで撮影がストップし、事態の収束を任された助監督・黒沢明の姿を描くホラーコメディ。今回「カリテ・ファンタスティック!シネマコレクション2019(カリコレ2019)」のクロージング作品として上映された。

ヤング ポール

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「TSUTAYA CREATORS' PROGRAM FILM 2016」で準グランプリを獲得したことが製作の発端となった本作。MCを務める映画ライター・村山章が応募への経緯を尋ねると、ヤングは「締め切りの前の時期が暇だったかつ、鬱憤もたまってて何か出したいという気持ちが高まっていました。2つ書いたうちの1つが通りましたね」と答える。また、撮影現場での実体験が小ネタとして盛り込まれていると述べ「撮影現場って普通じゃない人が多すぎるんですよね。面白い人がいるなと思ってたので、彼らをキャラにしたら面白いだろうなと」と登場人物にモデルがいることを明かした。さらに「最初は壁ドンじゃなく、低予算ホラーを作る話だったんです。目の前で心霊現象が起こっても、彼らはホラーのプロなのでまったく信じずに『誰が仕込んだんだ』みたいになって、大惨事に発展していくというものでした」と裏エピソードも飛び出す。

楠野一郎

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本作に数多くの映画オマージュが盛り込まれていることについて、楠野は「(ジョージ・A・)ロメロと(トビー・)フーパーが相次いで亡くなったのがすごく大きくて。劇中で三浦貴大さんが『フーパーに謝れ…』と言うセリフがあるんですが、あれは僕の心の叫びです」とセリフ誕生のきっかけを述べる。「僕自身が自身に対して思ってることでもあるし、お前のやってることでフーパーに顔向けできんのかと。背中を押してもらったというか、しっかりしろと言われた感じがします」と感慨深げだった。

川瀬陽太

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「ゴーストマスター」トークイベントの様子。

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イベント終盤には、黒沢の上司となる監督役で出演した川瀬陽太が登場。現場初日を回想した川瀬は監督を指し「彼は初日に倒れたんですよ。緊張で!」と暴露した。対するヤングは小さくなりながら「気絶してしまって。これで仕事がなくなるな……別の仕事をやるとしたら何かな……と考えました」と波乱の初日を振り返る。川瀬は自身の役について「『黒沢ー!』って絶叫するの後ろめたいんだよな。黒澤明さんだけじゃなく、清さんも、年雄さんもいるし。現場で黒沢って絶叫するの、けっこうな意味合い付くぜ」と当時の胸の内も明かして観客の笑いを誘った。ヤングは小出祐介(Base Ball Bear)が主宰する音楽プロジェクト“マテリアルクラブ”が提供した主題歌にも言及。興奮した様子で「映画の世界観をなぞるんじゃなくて、そこからスタートしていく。エンドロールでかかるけど、そこから映画の世界を広げてくれたんじゃないかと。小出さんヤバいなと思いました」と語っていた。

「ゴーストマスター」は12月6日より新宿シネマカリテほか全国で順次ロードショー。なお本作は韓国で開催の富川ファンタスティック国際映画祭、スペインで行われるシッチェス・カタロニア国際映画祭に正式出品される。

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(c)2019『ゴーストマスター』製作委員会

※動画は現在非公開です。

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友人でありパートナーの映画プロデューサー 木滝氏の快進撃は続くね。

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