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実話をもとにした同名ベストセラーを映画化した本作は、2001年に大きな干ばつが襲ったアフリカ・マラウイが舞台。飢餓による貧困のため通学を断念した14歳の少年ウィリアムが、図書館で出会った1冊の本をもとに独学で風力発電を作り上げるさまを描く。
現在中学3年生の鈴木は「同い年の人たちでも学びたいという強い気持ちを持っている人がいて、世界を変えられる。僕とほぼ変わらない年齢の人でも、そういうことができることがすごいと思いました」と感銘を受けた様子。周囲からの理解がなかなか得られず、困難な時期もあったカムクワンバは「観ているときは2つの感情が交錯しました。家族と経験した厳しい時期を観るのはつらかったですが、それと同時に友達と過ごした時期のシーンはワクワクしましたね」と感想を述べる。
また、風車作りで一番困難だったことに「材料探し」を挙げたカムクワンバ。「お金がなかったので買えるわけもなく、そもそも手にした本には必要な材料が書いてなかったんです」と裏話を披露する。「想像力を駆使して、ガラクタで使えるものを見つけていったんです。僕が変になったんじゃないかと思った人もいたようです」と回想。さらに、そもそもマラウイの公用語であるチェワ語には「風車」にあたる言葉が存在せず、見たことがある人がいなかったため、周りに理解されないことも当然と受け入れていたことも明かした。
作品の印象を聞かれた鈴木は「やろうと決めて、みんなで協力すればなんでもできるんだということを伝えてくれる映画。これが実話ってことが信じられないくらいです」とその行動力に驚きを見せる。続いて、今挑戦していることを聞かれ、「家族や親戚も一緒に、和楽器にチャレンジしています。マラウイを大事にしているウィリアムさんと同じように、僕は日本文化を大事にしていくことをがんばりたいなと思っています」とコメントした。
観客とのQ&Aに参加したカムクワンバは、「周囲の人からもらった言葉でインスピレーションを受けたものは?」という質問を受け、自身の祖母について語りだす。「マラウイでは、昔は女性の仕事と男性の仕事が分けられていました。でも、家を建てるためのレンガ作りが男性の仕事と見なされていた中で、祖母は独学でレンガ作りをしていたんです。周りの人に『なぜ夫に任せないのか』と言われたときに、『もし自分の服に火がついたら、自分がまず最初に火を消すでしょう?』と祖母は答えたそうです。つまりそれは『自分の問題を一番知ってるのは自分自身。自分がまず行動して解決法を見出さなければならない』という意味。その言葉にとてもインスピレーションを受けましたね」と感慨深げに話した。
「それでも夜は明ける」のキウェテル・イジョフォーが監督した「風をつかまえた少年」は、8月2日より東京・ヒューマントラストシネマ有楽町、新宿武蔵野館ほか全国で順次公開される。
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- 「風をつかまえた少年」公式サイト
- 「風をつかまえた少年」予告編
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