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西炯子のマンガを原作とする本作は、3人の子供が巣立ち、人生の晩年をともに過ごす夫婦の秘めた思いと愛を描くラブストーリー。妻の有喜子を演じた倍賞は「50年連れ添ったら、夫婦でも慣れっこになってしまって、同じレールを歩いているだけで交わらないということも多いと思います。朝起きたときにおはよう、とか『今日のごはんおいしかったよ』とか夫婦でそういう会話をすることが大事なんじゃないかと思いました。皆さんもそういうことを感じていただけたらなと思います」と本作に込める思いを述べた。
無口でぶっきらぼうな夫・勝役の藤は「家庭というものは、人間としても映画としてもドラマの原点で尽きないもの。安らぎの場所であったり、ほっとできる場所であってほしいんですけど、なかなかうまくいかないんですよね」とコメント。亭主関白な勝を演じるうえで、倍賞に冷たく接することができずに苦労したと明かす。「監督が『そんな態度じゃダメだ。とにかく日本のお母さんに嫌われてくれ』って言うもんだから(笑)」と話し、倍賞と娘・菜穂子役の市川と距離を置き、自身の車で休憩していたと述べた。
市川は、イベント中にお互いを「あなた」「家内」と呼び合う倍賞と藤を見ながら「ふさわしい言葉かわかりませんが、とてもかわいらしいお二人。藤さんは、娘としては本当に嫌だなと思うお父さんを演じてくださったんですけど、ご一緒してるとチャーミングな部分を感じられました」と述べる。藤が「かわいいのか、俺が?」と首を傾げながら、市川に「とにかくね、あなた現場で笑いっぱなしだったね! ムードメーカーでした」と語りかけると、倍賞も「本当に元気がよくて。箸が転んでも笑うって言うけど、それ以前に笑ってるの!」とうなずいた。
ペット探偵の笹原と、有喜子が夢中になる韓国人俳優・ヨンギを演じた佐藤は、自身が猫好きであることから「『猫と触れ合えるんですよ』と言われて、最高の現場じゃん!と思ったんですが、僕はペット探偵なので1回も猫と触れ合うことなくこの現場を終えました」と苦笑しながら悔しさをにじませた。勝の将棋仲間・山崎役の小林且弥は、藤のファンであることを明かしつつ「僕は緊張しっぱなしだったんですが、実際にお会いすると本当に気さくな方。少し距離を開けていると『こっち来なよ』と言っていただいて、こういう先輩になれたらいいなと思いました」と実感を込めて語った。
ここで、本作がイタリア現地時間4月26日から開催となる第21回ウーディネ・ファーイースト映画祭コンペティション部門に出品されることが明かされ、小林聖太郎は「(イタリアに)行けるんですかねえ……」と思いを巡らせる。続けて、各キャラクターの人物像を作るために行ったことを問われると「履歴書を作るような難しいことはしていないんですが、勝が今どき亭主関白すぎるんじゃないか?という話をしていたら、藤さんが周りの50代のお友達やいろんな方にお話を聞いてくださったようです」と明かす。藤は行きつけの居酒屋で情報収集を行ったと言い、「今どきこんな封建亭主いないでしょ?って言ったら、奥様方がこの話で2、3時間盛り上がっちゃったんですよ」と回想した。
「初恋~お父さん、チビがいなくなりました」は、5月10日より東京・新宿ピカデリーほか全国でロードショー。
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倍賞千恵子の映画作品
リンク
- 「初恋~お父さん、チビがいなくなりました」公式サイト
- 「初恋~お父さん、チビがいなくなりました」予告編
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