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本作は息子・浩一の死にショックを受け記憶をなくした母のために、家族が「浩一は南米にいる」と嘘をつき通そうとする姿をユーモラスに描いた家族ドラマ。第31回東京国際映画祭の日本映画スプラッシュ部門作品賞を受賞し、木竜が東京ジェムストーン賞を獲得した。本作が劇場デビュー作となった野尻は、作品賞について「僕のフルスイングの演出に付き合ってくれたスタッフ、キャストみんなの賞だと思っています」と感謝を伝える。
劇中にも登場する、チェ・ゲバラのTシャツを着用して集結した登壇者たち。岸部は「本日は満席……とまではいかないですが(笑)、お越しいただきありがとうございます」とマイペースに挨拶して「こうやったら家族に見えるかな?とかは一切考えませんでした。映画は衝撃的な出来事から始まりますが、どんな家庭にも何か問題がある。なので自然に鈴木家(の一員)でいられました」とチームワークのよさに言及した。
本作に野尻の実体験が反映されていることから、加瀬は「監督がきちんと向き合っている姿を現場で見て、心にくるものがありました」と振り返る。また岸本が食事のシーンを何テイクも撮ったことを「とにかく監督がくどいんです。うどんは伸びるし、つゆ吸っちゃうし!」と回想すると、同シーンをともにした大森は「岸本さんがいつキレるのかと。もしキレたら止めるのは俺だろうなあって思ってました(笑)」と告白。そして大森は下にもう1枚仕込んでいたTシャツを観客に見せながら、自身が所属するバンド・月に吠える。のワンマンライブが翌日11月18日に東京・新宿BLAZEで行われることをアピールしつつ「『鈴木家の嘘』、よろしくお願いします!」と白々しく宣伝して共演者たちから一斉にツッコまれた。
舞台挨拶の終盤では、原から木竜に宛てた手紙をサプライズで司会者が代読することに。木竜の今後に期待する文章に続き、「どうか自分自身の人生を置き去りにしないでください。あなたが幸せで充実した人生を送ることが、結果として女優・木竜麻生を豊かにしてくれることを忘れないで」という言葉が読み上げられると、木竜は大粒の涙をぽろり。「この作品に出演することができて、こんなに幸せなことはもうないかもしれないけれど、今日こうして舞台挨拶を皆さんと迎えられたことがうれしいです」と感謝の言葉をしぼり出す。そんな彼女に、岸部も「俳優に一番大事なものがあるとしたら、僕は人柄だと思う。芸能界は派手に見えてしんどいこともあると思うけど、できるだけ染まらないで映画女優として大成していってほしい」と声をかけた。
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