ドキュメンタリー映画「
20世紀最高のソプラノ歌手と言われたマリア・カラスの没後40年に製作された本作。彼女の未完の自叙伝やプライベートな手紙、秘蔵映像、音源をもとに、葛藤する歌姫の真実の姿を明らかにしていく。富士登山の経験があるというヴォルフは「映画を作るプロセスも富士山を登ることに似ています。忍耐や意志の強さ、そして愛と敬意を持つことが大切でした」と述懐。資料集めに3年を要したことについて「世界中に散らばっているマテリアルを集めたんです。その多くが未公開のものだったので、編集作業も6カ月をかけました。まるでパズルのピースを1枚の絵にするような作業でした」と苦労を語った。
本作の構成についてヴォルフは「1970年代にマリアが自身について語ったインタビューを最初に持ってきて、その後はフラッシュバックする構成にしました。また、個人としての幸せを追求したいと思いつつ、アーティストとして伝説になっていく中でもがいた彼女の人生が浮かび上がるようにしたいと考えました。マリアの部分とカラスの部分の二面性を描きたかったのです」とコメント。また、日本はカラスにとって特別な場所だと話すと「彼女の最後の公演が日本でした。日本のファンは、とても愛と尊敬を持って彼女を迎えていたと思います。この映画で日本と彼女のラブストーリーが続いてくれるとうれしいです」と観客に語りかけた。
ここで、ゲストの綾戸が花束を持って登場。開口一番「ほんとは『カー、カー』って言いながら出てこようかと思っててん! でも通訳に時間かかるんとちゃうかなって」と実際にカラスのまねをしながらマシンガントークを繰り広げた綾戸は、気を取り直すと「私はこんな声ですから、最初は(カラスと)『真逆やん!』って思ったんです。でも、彼女のように自分の歌に人生を乗っけてもいいんだな、ということを教えてもらいました」と本作の感想を述べる。「どや!」「あんたもっと前に来いや」と綾戸にアピールされたヴォルフは、圧倒された様子を見せるも「ありがとうございます」と日本語で感謝を伝え「とても美しい感想です。綾戸さんは本当によくこの映画を理解してくれているので、私よりもうまく語れるのではないかと思います」とほほえんだ。
「私は、マリア・カラス」は12月21日より東京・TOHOシネマズ シャンテ、Bunkamuraル・シネマほか全国で順次ロードショー。
トム・ヴォルフの映画作品
関連商品
リンク
- 「私は、マリア・カラス」公式サイト
- 「私は、マリア・カラス」本予告
※記事公開から5年以上経過しているため、セキュリティ考慮の上、リンクをオフにしています。
綾戸智恵(official) @ayado_staff
「私は、マリア・カラス」監督来日、カラスの鳴き声をまねる綾戸智恵にタジタジ - 映画ナタリー https://t.co/vwujp3SM2T