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吉永小百合が「愛と死の記録」撮影当時の逸話明かす

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「愛と死の記録」トークイベントの様子。左から宮崎信恵、吉永小百合。

「愛と死の記録」トークイベントの様子。左から宮崎信恵、吉永小百合。

愛と死の記録」のトークイベントが本日7月14日に東京・武蔵大学の江古田キャンパスで行われ、ヒロイン・和江を演じた吉永小百合が出席した。

このイベントは「第12回被爆者の声をうけつぐ映画祭」の一環として行われ、「風の舞」の監督・宮崎信恵が聞き手となって進行した。吉永は1966年に公開された本作の撮影を「ドキュメンタリーのような形で撮影したんですけど、広島にまだSLが走ってた時代で、SLを背景に渡哲也さんとのシーンを撮影しました」と思い返す。被爆者の女性も出演していたと明かし「渡さんが『おばあちゃん、元気でな』と呼びかけると『あいよ』と答えてくださって。それがとても素敵でした」と回想する。

撮影時には夜にリハーサルが行われていたという。吉永は「ある日、渡さんがいらっしゃらなかったので、みんなで探したら自分の部屋の押し入れで寝てらしたんです。心から主人公の幸雄を演じてくださっていたので、疲れていらしたんでしょうね。私もつられて演じることができ、素晴らしい作品となりました」とほほえんだ。宮崎は「吉永さんはそれまで浜田光夫さんとのコンビが多かったですよね?」と質問。吉永は「実は幸雄役も浜田さんの予定だったんですが、直前にお店で起きた喧嘩のとばっちりでけがをされて、出演することができなかったんです」と明かした。

ドラマ「夢千代日記」への出演をきっかけに原爆被害の実態を知り、原爆をテーマにした詩の朗読を続けている吉永は「詩をもっとたくさんの人たち、子供たちに伝えたいという思いで続けています」と述べ、観客に向けて「どうかこの映画をご覧になって、核兵器のない世界を目指して一緒に行動していただければどんなに素敵でしょう」と語りかける。

イベント後、囲み取材に応じた吉永。「未来の子供たちへ伝えたいことは?」という質問に少し考え込む様子を見せ「戦争のことを知らない子供たちもいるんですよね。大きな戦争があって、たくさんの人が亡くなったという悲しい過去があったうえで、私たちがいるということを伝えたいです」と語る。また、戦争で亡くなった人々への思いを問われると「私は俳優ですから、過去にあったことを次の世代に伝えていくことが役目だと思っています。終戦した1945年に生まれたということも何か意味があるんじゃないかと思います。どこまで続けられるかわかりませんが、それが活動の原動力になっています」と述べた。

「第12回被爆者の声をうけつぐ映画祭」は明日7月15日までの開催。

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