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「SUKITA」布袋寅泰の人生を変えた写真家・鋤田正義「役立ってうれしい」

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左から立川直樹、鋤田正義。

左から立川直樹、鋤田正義。

SUKITA 刻まれたアーティストたちの一瞬」の初日舞台挨拶が、本日5月19日に東京・新宿武蔵野館にて開催され、写真家・鋤田正義と彼の写真展をプロデュースした経験のある立川直樹が登壇した。

相原裕美が監督を務めた本作は、デヴィッド・ボウイやイギー・ポップ、Yellow Magic Orchestra(YMO)、マーク・ボラン(T・レックス)など数多くのアーティストを撮影してきた鋤田の軌跡を追うドキュメンタリー。

映画の感想を聞かれた鋤田は「1回は観たんですけど、半分は覚えてないんですよ。やっぱり恥ずかしくって、どうも落ち着かなくて。この映画の撮影の際は、監督に言われたまま動いていました」と笑顔で話す。

ポスターに使用されているイギーの写真は2度目に彼を撮影したときのものだそうで、鋤田は「1回目は1977年、ボウイと一緒に来日した際に、それぞれ1時間ずつもらって撮影したんです。ボウイの圧倒的な表現力に、そのときイギーは戸惑っていたみたいに感じました。でもソウルで2回目に撮影したときは、イギーは以前よりも自身で表現しようとしていてすごく表情がよかった」と回想。「運慶の仏像みたいでしたよね」と立川が言うと、鋤田は「そうそう。イギーはいつも上半身裸で。今も昔もライブ中は裸でパフォーマンスして、かつ客席に飛び込んでましたよね。ボウイは着込んでカッコいい。イギーは傷だらけになっても体で表現しようとしてたよね」と返した。

映画の冒頭にも登場するギターを持ったボランの写真は、布袋寅泰の人生を変えることとなった。鋤田は同作品について「彼(布袋)は群馬の小さな楽器店でマーク・ボランの写真に衝撃を受けて、ふと目線を下げたら店内にギターがあって。それでミュージシャンの道に進んだということを聞いた。びっくりしたし、自分の写真が役立ってうれしかった」と誇らしげに語る。

5月5日に80歳の誕生日を迎えた鋤田は「国内外での写真展、そして映画、アーティストのポートレート撮影と、写真を通して多くの人に自分を知ってもらい、巨匠と言われるようになってしまったんですよね。ポートレートの撮影が難しくなったような気がして。撮影のときは同等でありたいんです。“SUKITA”に撮られるという気持ちを撮影の対象者が持ってしまうと同等ではなくなってしまうようで。有名にはなりたくないかな」と素直な気持ちを述べる。これからの活動については「きっかけの時期かなと思っている。今後は風景やスナップに移ろうかな」とコメントした。そしてイベントの最後に、鋤田はバースデーケーキならぬ“バースデーどら焼き”をプレゼントされた。

(c)2018「SUKITA」パートナーズ

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