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薬丸岳の同名小説をもとに、ジャーナリストになる夢をあきらめ町工場で働き始めた男・益田と、17年前の連続児童殺傷事件の犯人だと疑われる同僚・鈴木の姿を描いた本作。益田役の生田は「はっきり言って問題作です」と述べ、「この映画を作ってよかったんだろうかと、スタッフも含めずっと考えながら撮影していた記憶があります。でもエンタテインメントを生業とする僕らが表現するのは必要なことだと思い、尋常じゃない覚悟を持って臨みました」と真剣な眼差しを客席に向ける。
鈴木を演じた瑛太は「衣装合わせのとき、監督に『僕が俳優だったらこの役は受けないけどね』と言われました(笑)」と述懐。また1997年に発生した神戸連続児童殺傷事件の加害者“少年A”による手記を読んだと明かし、「いろいろ感じることがあった。殺人を犯した人間に対して全面的に否定するけど、僕は彼に光のようなものを感じてしまった」と吐露する。「それはこの役を演じるうえで大事なことだと思った」と続け、「彼(鈴木)の存在が観客にどんな光を与えられるか考えながら演じました」と真摯に語った。
覚悟を持って臨んだのは共演者たちも同様で、瀬々組への参加を望んでいたという夏帆は「この役を好きになれるか正直すごく悩みました。でもこの難しい題材を瀬々さんがどう作っていくのか、現場で見ていたいと思い覚悟を決めてお受けしました」と打ち明ける。山本は「私は重い過去がある役ではありませんでしたが、普通ってなんだろうとすごく考えさせられました」と振り返り、富田は「台本を読んだとき、やらなきゃと思った」と強い覚悟をうかがわせた。
本作で3度目の共演となる生田と瑛太。20代の頃から互いを知っているため、生田は「多くを語らなくても太い部分でつながっているような関係値を築けている」と言及し、瑛太も「生田斗真という俳優がどういう心持ちで現場にいるかわかってるので、僕も集中してやるだけ。斗真に甘えているというか、委ねていました」と素直な気持ちを明かす。
そんな生田と瑛太に対し、佐藤は「こういう作品ですから、役者には覚悟が必要。それに瀬々さんと彼らの世代で受け取り方は違うと思うんです。それを2人がどういうふうに演じて答えを出すのかは興味があった」と述べた。そして「2人がどんな答えを見出したかわかってもらえると思う」と観客に語りかける。
また撮影時のエピソードトークでは、生田に“雨男疑惑”が降りかかる場面も。瑛太や瀬々から「撮影ではけっこう雨だったり、晴れのシーンを撮りたいのに曇りだったり。これは生田斗真は雨男だなと思った」「かなり天気に泣かされた。それが生田くんのせいだって今日わかってよかった(笑)」と指摘されたうえ、本日の天気も小雨であったことから、生田は「風評被害です……」と嘆いていた。
最後は瀬々が「被害者、加害者といった問題を扱っていますが、最後には雲の隙間からのぞく光のような、希望のようなものを皆さんに託したいと思って作った部分もあります。わずかでもいいので、そういうものを感じていただければ」と観客に伝え、舞台挨拶の幕を引いた。
「友罪」は5月25日より全国ロードショー。
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